先週、富士ハウスの経営破綻を話題にしたことから、被害者の方からコメントをいただきました。建築依頼先が倒産して深刻な被害を受ける方がひとりでも少なくなれば、ということを考え、業者さんをどのような目で見分けていけばよいのか、考えていきたいと思います。
 賛否、いろんなご意見があるかと思いますが、同じような気持ちでご意見をいただければと思います。

 注文住宅を受注する業者さんの仕事を、請負業と呼ぶことがあります。ある、年配の工務店さんと話していたときに、請負業とは字の如く、
仕事を請けて、相手に負ける、事業である。
とおっしゃるのです。つまり、お客さんに自分の気持ちや仕事を理解してもらえずに法律論になったら、必ず負けるものだ、ということです。職人が現場で造ったものだから、あら探しをすれば何か欠点は出てくるものだと。そうならないために、しっかりしたコミュニケーションが重要とのことでした。

 日本語の敬語に、尊敬語と謙譲語があります。自分自身をへりくだって表すのが謙譲語と記憶しています。請負業の基本は謙譲の姿勢ではないかと思います。
 商売の世界では、「お客様は神様です」の言葉通り、尊敬語を用いることが多いと思います。住宅のセミナーでも、
「お客様を大切に」
という姿勢の尊敬を重要視されます。しかし、住宅というものを考えたとき、このスタイルが本当に正しいのか、疑問に感じることがあります。住宅というものは、完成するまでではなく、それからも長いお付き合いが必要なものです。
 お施主さんと業者さんが常に同じ上下関係であり続けることへ疑問を感じるのです。建てるとき、お金を出して下さるお施主さんは確かに神様です。しかし、住み始めてから台風の被害を受けることもありますし、不幸にして火災に遭うこともあるでしょう。完成して時間がたてば、メンテナンスも必要になります。
「何かあっても自分で修理する」
とおっしゃる方は別として、多くの場合、工事した業者さんと長くお付き合いいただいて大切に維持して欲しいものです。
 このことを考えると、お施主さんと業者さんの関係は「尊敬語」の関係ではなく、「謙譲語」の関係であって欲しいと考えます。その思いから私は、「お客様」という表現より「お客さん」という表現を使わせていただいてます。