前回は、建築を依頼する先が個人事業主の場合について紹介させていただきました。
 今回は会社です。こちらは個人事業主と違って簡単ではありません。中小工務店であっても、経営者の身なりから経営を判断することは出来ないからです。会社が赤字であっても、経営者は給料として所得を得ることが出来ます。有限会社や株式会社であれば、結果として倒産しても個人保証をしているもの以外は、個人の資産は別管理になってしまいます。
 経営者の身なりで会社を判断できないということは、破綻した英会話スクールNOVAと猿橋社長を例として見ると分かり易いと思います。
 結果として、取引銀行以外はその会社の経営実態を知ることは不可能と言っても過言ではありません。どんなにすばらしい、経営理念を掲げていても、自己資金で運転している会社ではない限り、その企業を生かすも殺すも、金融機関の判断になってしまうのです。このことは、地場の会社組織された工務店であれ、パワービルダーであれ、大手のハウスメーカーであれ同じ原則である、ということは頭に入れておいて下さい。
 その上で、いろんな力関係で存続する企業、そうでない企業が存在するということです。その力関係を否定した記事が、前回も紹介した森一夫さんの記事
「市場原理」は悪くない
だと思います。

 さて、会社化された工務店を選ぶときに、どう気をつけたらいいかを考えてみます。
 まず、利用したいのが完成保証制度です。
 (財)住宅保証機構の完成保証に加入すると受注工事金額の40%までお施主さんは保証を受けることが出来るとのことです。ただし、1事業者の限度額として1億5000万円が上限になってますから、契約金額2000万円の住宅を同時に20戸を超えて受注する業者では完全に保護を受けることが出来ないことになります。(新建ハウジングプラスワン5月号、野辺公一氏による)
 私の取引先である越智産業さんが勧める保証会社、(株)住宅あんしん保証では、審査に通った工務店しか入れないので、1事業者の制限はない、とのことでした。ただし、補償金額は工事金額の30%、または1100万円のどちらか低い方、となりますので、2000万円の住宅なら600万円が保証限度額となります。
 工務店さんの規模を見て、これら制度に加入したところに依頼するのであれば、少額の契約金で完成保証を発行してもらった上で、(進捗状況の工事高)+(保証限度額以下)を支払う方法が有効ではと考えます。
 このような仕組みがありますので、新築住宅を依頼するときには是非、参考にしていただければと思います。

 もう一つが、住宅ローンを業者任せにしない、ということも考えです。クローズアップ現代で紹介された業者被害者の話では、
「銀行は会社の行き詰まりを知りながら、契約者にローン付けしていた」
と話されています。こうした被害を防ぐ方法のひとつとして、スタイルオブ東京と勧めているライフプラン作成制度があります。
 より良い暮らしを手に入れるための手法のひとつとしてご利用下さい。