デフレ社会が浸透していると、
「商品が手に入らない」
なんて、皆さん考えられますか?ところが、住宅業界ではごく当たり前に、このことが起きています。
 昨日起こったのは、マンションのリフォーム工事で継続して使われていた巾木、これが色の変更のために、廃盤になっており手に入らなくなってしまったのです。4月までは普通に入手できていたわけですから、お施主さんや私たち流通のものにとっては迷惑なものです。自動車だったら製造中止から数年間、部品を入手できるのですが、建築の商品は大手メーカーでも簡単に消し去ることが出来るのです。
 もう一つの問題、それは大手ハウスメーカーで建てられた場合に起こりやすいのですが、OEM商品を使用されていることです。その場合、商品がメーカーにあっても一般のルートでは入手できないのです。先日、あるハウスメーカーで建てられたお施主さんから、地場の工務店さんに
「軒天が破損したので補修して欲しい」
と、ご依頼がありました。ところがどのメーカーのカタログにも載っていません。そこで、ある業者の方に
「**のメーカーの商品に似ているが、○○で使われている材料なんだか分かりませんか?」
と尋ねてもらいました。その結果、
「**にある商品だけど、○○の出荷許可が出ないと出荷できない。」
との返事が返ってきました。つまり、メーカーで建築してしまうと、補修が必要になった場合、元通りに補修するためには、そのメーカーの
「言い値」
でしか補修できないのです。
 住まいの購入の際には、将来、どこまで意匠性を保てるかを考えて、購入する必要があると感じます。