来年度予算の政府原案が発表され、住宅関連では住宅取得に関わる贈与税控除と環境対策を実施した住宅の改修や新築にポイントを与える「住宅版エコポイント」が決まったようです。
 新築住宅にエコポイントを付与することには違和感ありませんが、改修に付与することはやや疑問も感じます。新築住宅推進から、社会ストックを活用するリフォームに力を入れること自体は否定しません。しかし、日本の世帯数より1割以上多く存在する日本の住宅事情。しかし、その半数程が1981年以前に造られた現在の耐震基準を満たさない住宅なのですよ。確かに、お寺や神社で数百年になっても地震で倒壊してないことも事実ですが、そうした建物は通気環境が良く構造体が腐りにくいことも要因の一つにあげられるのではないでしょうか。
 同様の考えで作られたであろう(そうでないものも多数あるが)1981年以前の住宅に二重サッシなどをつけるという行為は、構造体の腐食を早めてしまうきっかけになるのではと感じます。住宅の社会資本としての位置づけを考えながら、制度を運用して頂けたらと感じます。