東日本大震災以降の電力会社と政府の対応を受けて、社会全体として「原子力発電」=悪い発電、「自然エネルギー」=良い発電、という構成が社会全体に広がってしまった感じがあります。
 確かに、未だにコントロールできない福島原発を見ると感情的に「悪」と言ってしまう現実もあります。

 しかし、3月11日に起きた津波を振り返ってみてください。もし、原子力発電所があの場所に存在せず、原発事故が起きなければ、地域・国民一丸となった復旧活動が進んでいるでしょうか。

 大きな障害がないのは事実だと思います。しかし、原発問題の影に隠れている「がれき」の問題は、よりクローズアップされていたのではないかと感じます。
 すさまじい数の自動車が海に流された現実、海を汚した事実は、原発のトラブルで隠すべき問題では無いでしょう。
 200年住宅を目指して建築された新しい住宅も、古い住宅と同じように流されていった現実。これも隠せるものではありません。
 自然素材で構成された古い家と化学の力で構成した新しい住宅。環境に影響を与え続けるものは、後者の方です。

 中の家具もそうだと思います。自然素材に磨きを掛けたアンティークな家具は、自然に帰ることが想像できますが、100円ショップで販売されるような小物は、海の動物を苦しめ続ける要因にもなるでしょう。


 脱・ダムを掲げた民主党政権が、自然エネルギーの中心に水力発電を掲げることは困難でしょう。そうした中で、地域分散発電の中心になるのは、太陽光発電という流れになるのは仕方ありません。
 しかし、太陽光発電のパネルは今、世界がしのぎを削って開発競争をしています。材料の中には、日本ではあまり受け入れられない「カドミウム(Cd)」を使うものもあります。様々な素材のシステムが、きちんと管理されないままに普及した後、設置施設のメンテナンスが行き届かない場合はどうなるのでしょうか。

 原子力発電は、問題があると指摘する人たちも沢山いらっしゃいました。そのおかげで、安全に対する技術も進歩してきたと考えられます。一方、太陽光発電が「危ない」と警告する声は聞こえてきません。経済的に不合理という理由で、取り付けを見合わせる人はいても、システムが危ないから設置しないという声は、皆無といえます。

 しかし、素材は化学物質の固まりです。商品によって、その組み合わせもまちまちです。その内容を購入する個人が理解することは難しいかと思いますが、せめて旗振り役の政府や団体には、きちんと区別して説明できるように努めて欲しいと感じています。

 せめて、太陽光発電システムが設置された住宅が津波で流されたとき、環境問題が起こらないように。