太陽光発電システムをつけるとそのモニターで電力の消費データが見えてきます。我が家につけているカネカのシステムは、オムロンのパワコンを用いていますので、モニターも同社のものが付いています。

 モニターに表示されるのは「発電電力量」「消費電力量」「売電電力量」「買電電力量」で、月ごとに集計してみることも可能です。(検針日は5日頃ですから、電気料金とは異なります)

 一方、今年の1月末から利用を始めた電気自動車。こちらにもIT技術が駆使されており、エネルギーの消費を追いかけることが可能です。

 ところで、電気自動車に乗り始めて気づいたことがひとつ。電気で冷房を入れても意外と電力を消費しない。電気で暖房を入れると見る見る電気を消費してしまう。従来の自動車に乗っているときには、気づかなかった状況です。
 エンジンの載った自動車の場合、暖房はエンジンの廃熱を利用して空気を暖めていますから、寒いときにファンを回してもあまり燃費には影響しませんよね。もちろん、寒い朝にエンジンが暖まらないうちに走り出すと、なかなか暖まらないのもこのためですね。
 一方、電気自動車の場合、電気でヒーターを暖めて暖房を入れますからスイッチを入れるとすぐに暖かい風が出てきて、室内を暖めます。しかし、このヒーターを暖めるというエネルギーは電気以外にありません。つまり、暖房を入れるとかなりのスピードで電力を消費するのです。
 反対に冷房の場合、エンジンの載った自動車の場合、コンプレッサーを回して熱を取り除くのですが、そのためにはエンジンの回転数が上がります。渋滞しているところでしたら、回転数が上がらないために、バッテリーが上がるというトラブルもよく耳にします。
 一方、電気自動車では自動車を日なたに長時間放置していない限り、冷房は短時間で室内を冷やしてくれます。そして、走行距離への影響も、あまり気にならないのです。

 こうした経験を踏まえて、改めて電力のモニターを確認してみると、冬場に消費する電力の多さに驚きます。
 先日、お盆に親戚の叔父が来るとい言うことで、エアコンのスイッチを入れてみました。すると、冬場の暖房の際には消費電力が3kw位になる設備が、1kwにもならないのです。いかに、電気による暖房が、エネルギーを無駄遣いしているのか考えさせられる現象でした。

 そこで考えてみますと、自動車で利用している暖房は、身近に感じることの出来るコージェネレーションシステムなのではないでしょうか。ガソリンを利用して、電気を作り、車を走らせ、廃熱で車内を暖めているわけですから。

 電気自動車と家庭で使う家電エネルギー。一見異なる物のようで、すごく対比しやすい環境だと感じます。
 夏場の電力不足が叫ばれるあまり、電気を使った冷房を控えることが重点課題のように考えてしまいがちですが、実は電気による暖房をいかに減らしていくのかが、省エネ住宅を考えるキーワードになると考えさせられました。