この週末に成立が予想されている、再生エネルギー特別措置法案。
 住まいのエネルギー利用をプロデュースする私たちもその動向が気になりますが、これを市場拡大と意気込む企業は、もっと関心が高いようです。

 メガソーラーの開発は太陽光発電パネルの価格引き下げに効果を与える可能性があります。海外の太陽光発電メーカーは、この期を狙って日本市場への参入に力を入れています。様々な買い取り制度や補助金で、普及の促進体制は整いつつありますが、変換効率以外の性能を比較することなく、価格競争になれば日本のメーカーには逆風に立たされることも考えられます。
 太陽光発電システムを設置しようとする場合、その性能ばかりでなく、販売や施工会社の信頼性にも気をつけたい物です。

 また、電力の買い取り価格が第三者委員会にゆだねられている点も、今後の動向を難しくする要因になる可能性があります。急速に太陽光発電パネルの設置が進んだ場合、買い取り価格が引き下げられる可能性も、ゼロではありません。

 また、原子力発電の運転再開が見通せない状況が続くのであれば、再生エネルギーばかりに注目するのではなく、化石燃料やバイオマスを直接家庭で利用することも考える必要があります。

 近年復活が話題になっていました「湯たんぽ」。最近は電子レンジで加熱するものも登場していたようです。また、湯たんぽに入れるお湯を、ガスやIHコンロで涌かしていた方もいらっしゃるでしょう。化石燃料やバイオマスを直接利用する場合、家庭で発電したときに発生するお湯を有効利用することが可能になります。石油ストーブを利用しお湯を沸かして「湯配り」をする我が家のスタイルは、エネルギーの効率的利用なのかもしれませんね。

 このように、総合的なエネルギー利用の必要性が考えとして必要となる今、「送配分離」とか「電気自動車で蓄電」という議論は、視野を狭めてしまう恐れがあると感じています。

 電気エネルギーは比較的安全でポテンシャルの高いエネルギーです。再生エネルギーのみで現代の暮らしをまかなうことは出来ません。生活の全てを電気でまかなうのではなく、「ガス」「灯油(石油)」「薪(まき)」など様々なエネルギーを活用し、電気は電気でしか利用出来ないものにのみ利用する、
そうした考えが「脱原発」の思想には必要だと感じます。