三電池のひとつ「燃料電池」について理解を深めるために最近、ガス事業者の施設へ頻繁に運ばせていただいてます。原子力発電が運転していた頃には、ガスの仕組みを詳しく学ぶ機会に恵まれませんでしたが、最近はガス事業者のPRも積極的になってきたようです。

 ところで、家庭で使われているガスは「都市ガス(液化天然ガス)」と「プロパンガス(液化石油ガス)」に大別することが出来ます。

 都市ガスの場合、パイプラインで供給され、その地域では独占的に営業され価格も決められています。県内では佐賀ガス鳥栖ガスといった会社がこちらにあたります。地域独占だからでしょうか、ガス料金も各社のホームページに掲載されていますので、現在の生活の中で使っているガスの使用量とエネファームを製造・販売するメーカーの仕様を基に、光熱費の概算を検討することが可能になります。

 一方、プロパンガスの場合それぞれのご家庭が、ガス屋さん(お米屋さんや畳屋さんも経営されていました)JA、ガソリンスタンドなど、いろんなところと契約されており、価格も表面には出ていません。我が家では、ずっとJAのプロパンガスを利用しています。

 今回、JX日鉱日石エネルギーから総合エネルギー効率87%のエネファームが発売されたということで、我が家に導入した場合にどんなメリット・デメリットがあるか検討してみたいと考え、神埼市の本社を訪ねました。

 まず、エネファーム用の料金表があるのかお尋ねしたところ、
「現時点ではない」
というお答えでした。ないのは
「まだ利用者に採用された方がいらっしゃらないのでない」
ということです。
 そこで、参考価格としてエコウィルの料金表を見せていただくことが出来ました。
エコウィルは、JAさがで3軒の利用があり、そのうち1軒はJAの担当者の方のご自宅だそうです。
 で、料金表を見ると何となくイメージしていたものより、価格が高いです。先日、西部ガスエネルギーさんでお話を聞いた後、一ヶ月の利用が50立米くらいだと想定して、都市ガスの式に当てはめたところ、9,000円弱になると考えていたのですが、16,000円を超えるのです。

「私の想定より高いのですが・・・。」
と、切り出して確認したところ、都市ガスとプロパンガスの熱量の違いを教えていただきました。
 結論から言うと、単価当たりの熱量がプロパンガスは天然ガスの2倍以上あるのです。

天然ガスは化学式で CH4 です。(数字は右下小文字)
プロパンガスは C3H8 です。

 同じ体積の中に、燃料となる水素が2倍含まれているのです。つまり、価格表を比べるときは、プロパンガスの場合、都市ガスの半分しか使わないということを前提にして計算する必要があるのです。とても参考になりました。 

 さて、「我が家にエネファームを導入するとどうなるか?」ですが、残念ながら家計にはマイナスの要因が大きいです。エネファーム本体の価格が高いことはもちろんですが、太陽光発電を設置している我が家の場合、現在48円/kwhで余剰電力を売電していますが、この価格がダブル発電に変更となり引き下げられます。太陽光発電のメリットを放棄することにもつながるこの選択は、現時点の制度ではあり得ません。

 一方、これから導入を考える方の場合はどうでしょう。
 JAさんは、最初に導入する方の場合、料金設定を相談に応じますという回答でした。また、プロパンガスの場合、いろんな業者さんとの交渉の余地も大きいでしょう。暖房設備に床暖房を希望される場合には、有効な選択肢として考えることが出来るのではと感じました。
 また、都市ガスの地域でもプロパンガスを選択することは可能です。ただ、二酸化炭素の排出量削減を社会目的として考えるなら、都市ガスの供給地域ではこちらを採用されることが社会として望ましい選択になると考えます。



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