飯盛良隆のi佐賀iよ〜したか

住まいづくりのコンシェルジュから転身 佐賀県知事に挑戦した飯盛良隆のブログです。

準完全無減農薬・無化学肥料のお米「Shin-和」
購入のお申込、お問合せはこちらのサイトから

震和会とは。(為雷)人生の試練や困難を切り拓き、奮いたつ勇気をもって、
(日本)の国を再興する、という意味です。

「コメント」「お問い合わせ」は、日本語でお願いします。
(日本語以外は無視または削除します)

2015年02月

選挙戦を考える4 〜ビラの作成〜

 「選挙運動費用の公営制度」の対象になるものとして、知事選ではビラの作成費用があります。法定得票数(有効投票の1/10)を穫ることが出来れば、公費負担され候補者がお金を支払う必要がなくなります。このビラは、選挙期間中に街宣車のそばで配ることと立会演説会場で配ること、そして新聞に折りこむことが認められています。
 ただし、負担してもらえるのは作成費用(計算式は複雑だが、概算で1枚単価 7.30円ほどです)だけで、折込広告料は候補者負担となります。しかも、広告費用は選挙プレミアムで通常の1.5倍になります。(佐賀新聞広告センターの場合)
 ビラは2種類まで作成でき合計枚数は、衆議院の選挙区数が2の佐賀県では115,000枚が上限とされています。ビラを配るためには、選挙告示日に立候補届出を終えてからいただくシールを1枚1枚貼る必要があります。シールは事前にいただくことが出来ませんので、大変な負担になります。
 作成したビラは、立候補の事前確認の際に、3部ずつ提出する必要があります。もちろん、選挙途中で届け出ることも可能ですが、サイズや記載事項(配布責任者名)などの確認を終えるまで証紙をもらうことが出来ません。

エンスト!

 普通二種免許実技試験挑戦2日目。この日は3名の受験生で、受付順にコースが決まりますので暫定コースは前回同様3コースでした。前回は、4名の受験生でうち3名がMT車だったので、4番目に受付を行った私が3番目に3コースとなり、私より早く受付をされた方が4番目で1コースになっていました。
 この日は、到着順に1番目がMT車の方で1コース。2番目がAT車の方で2コース。3番目の私がMT車で3コースという予定になったことです。

 ところが、1番目の方が場内試験の縦列駐車で脱輪を犯してしまわれました。試験終了です。これにより、コースが一つ繰り上がって、私は2コースを走ることに。
 受験生の私はAT車で1コースの受験生に同乗し、その後車を乗り換えてMT車の試験です。スタート場所は佐賀市役所大和支所前。エンジンをかけて安全確認。
 と、ここでやらかしてしまいました。MT車に乗っていることをすっかり忘れてクラッチを離してしまいエンスト。このあとは、集中力を欠いてしまい2日目は、コースの最後まで運転させて頂いたものの、撃沈となりました。

選挙戦を考える3 〜選挙カー〜

 選挙は公費で行えると勘違いされている方の多くに選挙カーにかかる費用が全て選管から支給されると思われていることがあげられます。選挙運動用自動車(選挙カー)は「選挙運動費用の公営制度」の対象になります。法定得票数(有効投票の1/10)を穫ることが出来れば、公費負担され候補者がお金を支払う必要がなくなります。公費負担できる選挙運動用自動車は2つの形いずれかで認められています。

(1) タクシー・ハイヤーを借り上げる場合
 この場合は、1日あたり64,500円以内で選挙運動の期間日数を限度として認められています。

(2) レンタカーを借り・運転手と燃料をそれぞれ契約する
  この場合は支払い対象が(ア:レンタカー会社など、イ:ガソリンスタンドなど、ウ:運転手報酬)となっています。

ア) レンタカーは1日あたり15,300円以内で選挙運動の日数を上限に認められています。ただし、支出されるのはあくまでも自動車本体の借用に対してであり、看板の作成やスピーカー・音響の費用としては認められていません。
イ) 燃料代は1日あたり7,350円以内で選挙運動の日数分が認められます。無投票の場合は1日分となりますが、選挙が行われる場合には、期間中の合計分をこの範囲で支払われますので、毎日給油しなくても大丈夫です。ただし、事前に契約して後払いすることになります。セルフスタンドが主流となった現在、この制度を利用できるスタンドは少なくなりました。小城市役所横のJASSでも受け付けてもらえず、利用することは出来ませんでした。(結果としては法定得票数に届かなかったので、安いスタンドで給油できたのですが)
 問い合わせたところ栄城石油の本店では受付可能ということでした。
ウ) 運転手の報酬が、一日あたり12,500円以内で支払われます。1日ごとに運転手1名を届け出ておく必要があります。届け出た運転手以外には支払われません。同じ日に2名以上の方に分けて支払うことも出来ません。
「労務者の日当上限が10,000円なのに、この報酬の上限は12,500円で、複数の人には支払えないのは何故ですか?」
と質問してみました。すると
「労務者の日当は8時間勤務することを想定しているので、時間外労働が生じたときを想定しています」
と言うことでした。ちょっと、解釈が難しいところです。
 なお、運転手は公費負担を受けない人も含めて、すべて警察に届け出ておく必要があります。これは、選挙カーの前日審査のときに免許証のコピーを添えて提出しなければなりません。

002 このように、選挙カー全てに公費が支払われるわけではありません。もちろんウグイス嬢の日当も支給されません(日当の上限は15,000円と定められていますが)。

路上で撃沈

003 普通自動車二種免許に挑戦しています。場内試験の鋭角コーナーを右回りでなんとかクリア。方向転換は、想定していたイメージとは違い、前方行き止まりの場所での実施。ここは冷静にクリア。
 無事に路上試験へ。この日ミッション車で受験するのは私を含めて3人。受付順に1コース、2コース、3コースとなりますので、一番遅く着いた私は3コースです。国道263号の大和木工所前からスタート。交差点確認が遅れたかな?とおもったりしましたが、なんとか進んでいるみたい。
 試験官からトラップ付停止指令も、路側帯に入る直前の停止、バス停付近を避けて停止などこなしたつもりも、あえなく試験途中で終了。
 帰り道に試験官から「どこかで練習しよんさったですか?初めてにしては驚くほど上手でした」と声をかけていただきました。褒めてもらっても、合格にはならないわけですし・・・。
 また明後日、7650円の出費が確定。

選挙戦を考える2 〜選挙ポスター〜

005 選挙で候補者のイメージづくりで大切なものにポスターがあります。今回の佐賀県知事選では、ポスターの出来が当選者を決めたのかもしれません。
 掲示板に貼られた4枚のポスターを比べてみて下さい。山口知事のポスターだけ幅が広いことが分かりますか?
 選挙運動用ポスターは長さ42cm、幅30cm以内と決められています。公設掲示板に貼ることができるポスターは、このほかに個人演説会告知ポスター(42cm*10cm以内)を掲示することが出来、この二つを合わせて作成することを認められています。これに基づいて作成されたのが山口知事のポスターでした。
 直前に行われた総選挙では、全ての候補者が40cmで作成されており、私も検討しましたが、作成会社から顔が縦長の場合には不向きだと言われて、縦長のものを造りました。実際に貼ってみると、縦長のものでも空気が入らないように貼るためには、手間がかかります。短時間で貼るためには正方形のポスターは不向きかもしれません。

 作成したポスターを掲示前に捺印を受けたり、証紙を貼る必要はありません。ただ、3枚ほど選管へ提出する必要がありました。

010 ポスターは公設掲示板(今回の佐賀県知事選挙では2406箇所)に貼ることができます。貼る場所は届出順に定められた場所です。当然目立つ場所は上の方で、1番が最も良いとされています。しかし、高いので掲示板の場所によっては貼るのが大変です。
 遅れて貼ってもらった離島で、ポスターが「6番」という異なる場所に貼られていると連絡を受けました!
 貼る方が貼りやすいからと安易に考えてしまった結果です。選挙違反になりますので貼り直しに出掛けなければなりません。ポスターには掲載責任者と印刷者の住所、氏名が明記されていなければなりません。

011 また、掲示板に掲示したポスターを貼り替えることは可能です。ただし、選挙当日の張り替えは認められていません。
 今回、年が明けてから樋渡候補がポスターの張り替えを行われていました。ただし、1日で全てのポスターを貼り替えることは困難なようでした。
 また、樋渡候補のポスターは全面のりを用いないタイプで画鋲で固定されていました。白石町のように掲示板がベニヤ製ならともかく、表面をきれいに仕上げられた今の掲示板には全面のりのポスターが有効です。

 選挙ポスターは「選挙運動費用の公営制度」の対象になります。法定得票数(有効投票の1/10)を穫ることが出来れば、公費負担され候補者がお金を支払う必要がなくなります。作成枚数は掲示板の数の2倍まで、作成単価の限度額は別途定められていますが、26円程度です。

 ポスター掲示板の設置場所は、事前説明会のときに地図などで準備されています。

選挙戦を考える1 〜選挙用葉書〜

 選挙で使うお金を考える時、供託金の他に必要なお金がどのくらい必要になるかは、経験者ではないと分かりません。もちろん、当選するためには事前の活動費も必要ですから、選挙の収支報告書では分からない費用が発生しています。
 今回選挙を終えて、「選挙運動の費用は公費で出るとやろうもん」と指摘される方がいらっしゃいましたので、誤解が生じないようにまとめて置く必要がありそうです。

 そのまえに、選挙期間に郵便で届く葉書「選挙運動用通常葉書」について、今回経験したことを紹介します。
1211 ハガキ飯盛さま4 この葉書は官製葉書でもかまいません。ただし、葉書に含まれている郵便代は全く意味を持ちません。葉書の作成費は全て候補者負担となります。
 一方、葉書の郵送料はいりません。公費負担です。今回の知事選挙では37,500枚が認められていますので、宛名書きをする人手があれば、それだけ多くの数を出すべきでした。私は、供託金を取られた場合に送料の負担が発生すると考え、葉書の作成数は5,000枚、実際に発送した葉書の数は1,500枚弱にとどまりました。
 葉書の宛名は手書きでも印刷でもOKです。しかし、相手が法人というものはNGです。それから気をつけなければいけないことが一つ。宛先の住所は選挙人名簿に登録された正式な住所でなければいけません。通称の地名(小字)で書かれた葉書は、全て届け先不明で戻ってきます。同じ住所で年賀状は届いても選挙葉書は戻ってきます。これを知らなかったために、せっかく宛名書きをしていただいた葉書が100枚以上、戻ってきてしまいました。
 葉書の受付は佐賀中央郵便局に限られています。大晦日の夜に持ち込もうとしたのですが、担当者が不在ということでしたので、元旦に持ち込みました。時間外窓口で受付されますがスムーズです。
 新聞折込と違って、スムーズに届きます。選挙戦略を立てる上できわめて有効なツールだったと、後になって学びました。37,500枚を効果的に全て届けることが出来れば、供託金没収ラインをクリアすることも視野に入ることでしょう。
 選挙葉書の宛名書きは、アルバイトを頼んで行うことも可能です。ただし、運動員には日当を出すことが出来ませんので注意が必要です。名簿は候補者が準備しなくてもOKという事ですから、アルバイトとして雇い入れる人に「自分の知り合い宛に書くこと」を依頼しても良いことになります。ただし、その人が電話や直接、投票依頼すると選挙運動になりますので注意が必要です。あくまでも、運動員にお金を支払うことが出来るのは「ウグイス嬢」だけです。その選挙の期間中、全てに該当しますから「昨日は運動員、今日は労務者(日当を支払う)」というわけにはいきません。

 まとめになりますが、選挙運動用通常葉書の郵便代はかからない。しかし、宛名は選挙人名簿に届けられた正式な住所でなければ届かない。この2点を抑えることが、非常に重要になります。 

2023年佐賀国体開催に対する意見

 国体を2023年に佐賀県で開催することで、様々な課題が生じるでしょう。
大きなテーマとして次の3つが考えられます。

1.メイン会場の問題
2.障害者スポーツ大会との同時開催の問題
3.スタッフの問題

 1976年の開催時とは、予算に対する見方が違います。職員の年齢構成も違うでしょう。そして、様々な危機管理が求められる中で準備を進めることが必要になります。限られた予算の中でイベントを行うには、インターハイがブロック開催に変更されたように、国体もブロック開催が検討されても良い時期を迎えるのではないでしょうか。
 また前回開催のときは、スポーツインフラ整備も脆弱でした。今では県内各地に陸上競技場や競技施設が整っています。一方で十分な駐車場が確保されているとは言えません。
 さらにオリンピックが2020年に東京で開催されることが決まったにもかかわらず、私たちの国体への関心は遠のくばかりのように感じています。昨年長崎県で国体が開催されてましたが、隣県にいながら準備の段階でのご苦労や盛り上がりの様子などを耳にする機会はほとんどありませんでした。大会が始まった後も、新聞やテレビなど報道で、その様子が大きく取り上げられるものの、日常生活の会話にそのことが上ることはほとんどありありませんでした。
174 そんな国体を魅力あるものとして誘致するために、2023年の国体を佐賀県の単独誘致ではなく、長崎県との共同開催することを提案します。

 現在の長崎県と佐賀県の関係は、諫早湾干拓事業を発端とした水門の開閉問題でぎくしゃくしています。過去には長崎新幹線着工決定に際し、佐賀県民の反対意見を振り切って古川前知事の政治判断で着工が認められました。
 しかし、双方の行政が対立軸の中で議論がかみ合わない状況が続くことは望ましくありません。くしくも計画通りに工事が進むと2022年に長崎新幹線が開業します。その開業イベントのひとつとして佐賀長崎国体を開催することは意味があることだと感じています。
 幸い昨年国体を開催した長崎県には、その運営に携わる方が多数いらっしゃることになりますから、9年後に再び開催することは担当職員が継続できることで運営の効率化も図れます。山口知事も長崎県庁で勤務なされた時期もありますから、その人脈を活用することも可能かと存じます。準備活動を通じて両県の職員、特に若い職員達同士の交流が深まれば、両県が抱える様々な課題を柔軟な方法で解決するための方法をみいだすことができるのではないでしょうか。
 従来のやり方での誘致では、生まれてこないビジネスの機会が、新しいことに挑戦することで、新たなビジネスのきっかけを生み出してくれるのではないかと考えます。


 さて、国体開催するにあたっての課題の一つがスタッフの問題です。長崎県との共催が実現できれば、この問題は大きく改善すると考えることが出来ます。また、宿泊施設が不足する課題に関しても相互補完できると考えています。それでも、多くの選手達は片道1時間以上の時間をかけて競技会場に向かうことになると思います。

 次に、国体と障害者スポーツ大会の共催について考えてみます。昨年11月、知り合いが競技会に参加されるということで、諫早市まで応援に出掛けて大会の様子を見てきました。その時に感じたこと、知人が語ってくれたことを考えると、3つの課題が克服できるかが鍵になります。
1.宿泊施設の確保
 障害者スポーツの開催の場合、車いすに対応できる施設など、民泊では対応できないところがあります。長崎大会でも私の知人は宿舎から会場まで1時間半かけてバスで往復したそうです。せっかくの大会にこれだけの負担を選手に強いるのが適当なのか考える必要があります。
2.スタッフの問題
 競技スタッフだけではなく、周辺の会場案内にもスタッフは必要です。特に競技スタッフは、障害者スポーツの場合、出場する選手の数に比べてはるかに多くの人の手が必要だと感じました。また、競技の進行にも時間がかかります。それを埋め合わせることは容易ではありません。実現するためには思い切って、競技種目を削減することも一つの方法だとは感じます、
3.会場からの声援の問題
 選手の応援に各地から大勢の方が会場に足を運ばれると思います。障害者スポーツを見慣れていない観客の方に、視覚障害者の競技の際に「お静かにお願いします」とアナウンスされて、速やかにその環境を整えることが出来るでしょうか?
 日頃の競技会で、運営者の声に傾けることが出来る環境をつくることが出来なければ、実現は難しいと感じます。

 国体が開催された同じ会場で競技できること自体が素晴らしいです。ボランティアや役員の負担を考えれば、国体と同じ時期に開催することよりも、現在のやり方がずっとメリットはあるでしょう。場合によっては国体の前に行うことも一つの方法だと思います。

 最後にメイン会場の問題です。これには多久市陸上競技場を整備することを提案します。普通に考えれば、佐賀市陸上競技場を整備して活用することになると思います。しかし、駐車場に限りがありサガン鳥栖の試合をはじめ、様々なイベントを行う時には、大きな渋滞を起こしています。隣に独立行政法人佐賀病院があることも、大会運営に支障を与えることになりかねません。
 一方で、多久市陸上競技場を整備することのメリットは、長崎自動車道からのアクセスが良いこと、長崎県や福岡県からのアクセスはもちろん、県内各地から自動車を使うとほぼ同じ時間で会場まで着くことが出来ます。ここに1万台規模の駐車場を整備して、陸上競技場と補助競技場を整備することは、国体の後にもサガン鳥栖の試合をはじめ、様々なスポーツイベントを県民が等しく楽しむことが出来る機会をつくることになります。また現在、市政をひく10の自治体で、陸上競技場を持たない自治体は、神埼市と小城市です。多久市に隣接する小城市民が活用できることを考えれば、ここに大きな駐車場を備えた、競技場をつくることは意味があると考えます。
 そして、原子力防災の施設を兼ねることが出来ることです。玄海原発の防災訓練で明らかになっている避難の渋滞問題。唐津市と佐賀市を結ぶ厳木・多久バイパスに接するこの場所に「救護所を設置し避難民等に対してスクリーニング及び除染等が実施」する活動の拠点として利用することで、より多くの自動車を収容し速やかな避難に結びつけることが出来ると考えています。
 原子力防災についてさらに考えれば、現在議論されている長崎新幹線のフル規格化問題に対し、新鳥栖〜武雄温泉の改良工事でなく、新線を建設することを考えれば、鹿児島県の川内原発と相互に避難計画を実現することも可能になると考えられます。

 一過性の国体のための施設整備にとどまることなく、佐賀県の未来像として多久市にメイン会場を設けることには意義があると感じております。そして、国体という一つのイベントとしてとらえるのではなく、佐賀県の未来、地域の未来像を描きながら実現することが重要だと感じています。

佐賀県議会の定数を考える

 4月12日投票の佐賀県議会選挙に立候補予定の青木かずのりさんの事務所を、先週月曜日に訪ねてきました。昨年暮れ、県知事選挙の直前に私の事務所へ足を運んでいただいたものの、私が外出しており名刺がポストの中に入っていましたので、その時のお詫びと、どんな考えをお持ちなのか関心を持って行ってきました。

 約30分間、いろんなことで話が弾みました。組織選挙とそうでない選挙。真夏の選挙と年またぎの真冬の選挙。形は違えど同じ佐賀県全県を17日間駆け回った2人の経験は同じです。それぞれに感じるものがありました。その中でこんな会話も(敬称略)

青木 「このあとはどうされるのですか?」
飯盛 「まだ未定だけど、議会には興味ないし。・・・・。」
青木 「私はもっと若い人に政治を目指して欲しいと思っています。佐賀市の選挙、定員11名に12〜13名の立候補予定ですが、本当はもっと沢山の人が立候補できるようにならないといけないのですよ。」
飯盛 「それでも、今は全国の業者に物品の手配が出来るから費用を抑えることも出来ますよ。それよりも同じ選挙で性質が違いますよね。佐賀だと11名当選できるけど、小城だと2名ですから。市議会とおんなじで毎日同じところを選挙運動でまわります。」
青木 「確かに。佐賀市だとけっこうありますけど。」
といった会話をしてきました。

 よく、行政改革のためにまず、政治家が身を削れといわれます。私はこの考えには反対です。公務員と違って安定した身分が保障されない政治家。そこに、これまでの身分や経験を捨てて挑戦するわけですから、その報酬が削減されることには反対です。議員の数も住民の意見を届けるために一定の数が必要だと考えますし、行政をチェックする上でも、一定の議員数が必要だと考えます。
 しかし、現行の制度が機能して60年が過ぎます。その間に、市町村が再編されたことと同時に、交通機関と道路事情が発展しました。県内に10の市が存在しそのほとんどが、市議会・市長と同じ選挙区で県議会の議席を争います。この仕組みは、議会の硬直化を招く一つの要因と考えることが出来、また定数11の佐賀市と定数1または2の選挙区では、選出される議員の性格も異なってしまいます。この事象を改めることがこれからの県政の発展のために必要だと考えます。

 まずは、現在の定数38はそのままで、選挙区を「佐賀市選挙区」、鳥栖市・神埼市・三養基郡の「東部選挙区」、小城市・多久市・鹿島市・嬉野市・杵島郡・藤津郡の「南部選挙区」、唐津市・東松浦郡の「唐津選挙区」、伊万里市・武雄市・西松浦郡の「西部選挙区」の5つに分けます。
 次に、それぞれの選挙区の定数を前回選挙の選挙人名簿を下にドント式で配分します。今回の計算には、先日の県知事選挙の際の数値を用いました。

佐賀市選挙区(定数11)
名簿数 187,909
÷2の商  93,954
÷3の商  62,636
÷4の商  46,877
÷5の商  37,581
÷6の商  31,318
÷7の商  26,844
÷8の商  23,488
÷9の商  20,878
÷10の商 18,790 (34位)
÷11の商 17,082 (37位)

東部選挙区(定数 現7 改8)
名簿数 136,442
÷2の商  68,221
÷3の商  45,480
÷4の商  34,110
÷5の商  27,288
÷6の商  22,740
÷7の商  19,491
÷8の商  17,055 (38位)

南部選挙区(定数8)
名簿数 141,939
÷2の商  70,969
÷3の商  47,313
÷4の商  35,484
÷5の商  28,387
÷6の商  23,656
÷7の商  20,277
÷8の商  17,742 (36位)

唐津選挙区(定数6)
名簿数 107,130
÷2の商  53,565
÷3の商  35,710
÷4の商  26,782
÷5の商  21,426
÷6の商  17,855 (35位)

西部選挙区(定数 現6 改5)
名簿数 102,329
÷2の商  51,164
÷3の商  34,109
÷4の商  25,582
÷5の商  20,465
÷6の商  17,054 (39位)

 選挙制度のバランスを考えれば、佐賀市を2つに分けることも必要になりますが、定数が小さいために議席配分を難しくしている現状の課題を取り除くことが出来ると考えています。
 ここに、議員1人あたりの最低有権者数を規程(17,000人)と定めておけば、議席配分を行った上で商が17,000より小さくなる場合には議員定数が自動的に削減される仕組みとすることが出来ます。

 これにより、新人が挑戦しやすい議会の仕組み、将来の道州制にも対応しやすい政治環境をつくることが出来ると考えます。

佐賀県知事選を振り返って10 〜NHKのすごさと報道の影響〜

 昨日、無事に選挙の収支報告書の提出を終えました。今日は甲子です。本来、事務所開きを行いたかった日です。あっという間に選挙も終わり、新知事による議会も始まりました。大きな選挙になればなるほど、メディアをコントロール力が必要だということを学ぶ選挙だったと振り返ることが出来ます。

001 平成26年11月27日の立候補表明から投票日まで、常にマスコミと対話する日々が続きました。衆議院選挙の期間中に香港へ行ってたことと、ドクター中松の下で選挙を学ぶ機会を得て東京にいたことなどありましたが、何らかの形でどこかの社から連絡が入ります。

001 各社の取材方法は様々でしたが、NHKの組織力には頭が下がります。取材の連絡がいろんな方から入ります。他社では担当者がお休みでない限り、同じ方が取材を続けられるようですが、NHKに関しては、日ごとにいろんな方がアポを取り、インタビューしようと試みをされます。アナウンサーも1人ではありません。カメラマンも挨拶に来ます。1月3日には、選挙カーに乗り込んでの取材も受けました。車内からの撮影は15分ほどですが、冬空の中、窓を開けて走る厳しさをアナウンサーが体験するという、珍しい形の取材も経験していただきました。そんな感じで、いろんな角度から候補者の素顔に迫り、考えを引き出そうとされる姿勢には感心しました。ただ、限られた放送時間で伝えるテレビに3時間もの時間を拘束されると、候補者としては大変です。
002 NHKに限りませんが、取材を1時間受けても、現実に放送されたり記事になる部分は限られています。メリハリのある対応が必要になると感じました。時間をコントロールし、報道される記事に目を通していくためにも、専属のスタッフが必要になります。
 昨日になって、整理していた書類の中からKBCからお願いされたアンケートを提出していないことが分かりました。せっかく記入したアンケートが台なしです。これを防ぐためにも、メディア対応のスタッフが必要です。

 さて今回の選挙戦。告示前は原発問題、オスプレイ問題にどう対応していくかが争点の一つとみられていました。しかし振り返ってみると、1月1日佐賀新聞の事前調査の結果公表以降、争点が完全にぼけてしまったと感じることが出来ます。樋渡VS山口の構図が仕立て上げられ、その他の議論は蚊帳の外に置かれたのではなかったのかと。 特に島谷候補から見ればこの状況は、決して歓迎するものではなかったでしょう。
 テレビの報道を検証することは出来ませんが、全国の話題と地方の話題ではギャップもあるようです。最近批判的に取り上げられている朝日新聞ですが、選挙直前から選挙前日までの記事を読み返すと、全国紙こそ「自民党本部VS県・農業団体」という対決姿勢を提示していますが、地方面を読む限り候補者の主張を真摯に記事にされていることが伺えます。地方面での取り上げ方は、全国紙の朝日・毎日・読売の三紙が、どの候補も同じように扱おうとしている一方、地方情報のウエートの高い西日本新聞、佐賀新聞にバランスを欠きやすくなる土壌があると感じられます。朝日新聞は記事の取扱い方よりも、そこが発信することで他のメディアが過剰に反応することが問題なのかもしれません。
 12月28日の朝日新聞全国面に「休日の街宣活動で樋渡候補と山口候補が街宣活動でニアミス」的な報道がなされた後、全国紙で報道される内容に自民党の内部抗争「党本部VS地方・JA」という構図があおり出されました。そして佐賀新聞の事前予測へとつながります。
 選挙中盤にあのような形で調査結果が出され、それ以降の報道に変化があったことを考えれば、報道としての公平性を保てなかったのではないかと感じています。特に今回の選挙は年末年始と言うことで、候補者自身が表現したい文書を選挙後半まで受け付けられない状況でありました。そんな状況で一部の候補者を大きく取り上げるあり方は、今後の問題として考えていただくべき課題だと感じました。

 テレビの場合、候補者を原則として同じに扱うために、露出時間は大きく変わりません。一方、新聞は紙面をいろんな形で切り分けることが出来ます。今回の新聞を改めてみていますと、全国紙の取り上げ方が与えた影響は小さいものの、佐賀新聞の与える影響は大きく、また、それに追従する形で西日本新聞の紙面構成が変わっていったことが気になりました。
010 確かにテレビの効果は大きいです。しかし、地方選挙で新聞の与える効果は見逃せません。特に地域リーダーとなる新聞社の記事には注目し、候補者の意図する形での情報が発信されるようにコントロールすることも重要になると感じました。

佐賀県知事選を振り返って9 〜道に迷って時間ロス〜

 今回の選挙戦、良く道に迷いました。町中では住宅の路地に入り込んだり、道路が狭くなって行き止まりになり・Uターン、という事がしばしばです。選挙カーがセレナということで、比較的大きめなことも路地を走るには難しいところがあります。
 しかし、地元小城市は別として特に嘉瀬川から西の道路を知らないことを思い知らされました。町中と違って自動車のスピードも出ています。山間部で一つ道路を間違うと、30分単位で時間のロスになることもあります。不慣れな地域を走るのに、搭載されたナビが古いことも悪影響でした。今回の選挙、当初の予定ではセレナの新車を使わせていただける約束でした。平成27年初めに納品される予定の。乗り心地は我慢出来ても、ナビが古いのは痛かったです。10年前のナビと今のでは操作性も違うでしょう。

 さて、初日はポスター貼りをしながらの行動です。佐賀市富士町熊の川から柚の木地区を目指して県道44号に入るところを、一つ早く曲がって雄渕雌渕へ入りました。ここだけで10分くらいロスしてしまいます。

008 2日目は、祐徳稲荷の上(鮒越・矢答)へのポスター貼りを引き受けて待ち合わせの時間を含めて1時間くらい遊んでしまいました。
 しかも、優秀なウグイスさん3人とともに。

010

 3日目は鳥栖市山浦町で新幹線の側道を走るのに、地図を見間違ったようで、田んぼ道を走ることに。
 また、伊万里市では夜道を大川野へ入るつもりが、早曲がりで大川町川原へ。

017 4日目、28日日曜日は迷ったわけではないけれど、伊万里市の滝野地区へ。
 選挙運動としては重要でしたが、日曜日に行くべきだったか反省します。

 29日は、最大のミスです。まず、ポスター貼りを依頼する時に浜玉町を依頼した方に、山間部だと思って平原地区を外して渡していたことを忘れて行動したことです。
 次に、七山村のポスター貼りで、白木という大きな集落があることを知らずに、樽門という場所のポスター貼りをしながら、ウグイス嬢だけで上の集落へ向かわせたことです。さらに、七山村のポスターを貼りながら、富士町の市川に出た後、道路の特徴を確認せず小城町石体へ抜けようとして、天山スキー場に迷い込んでしまいました。
 そこで、素直に古湯まで戻って佐賀へ抜ければ良かったのですが、あくまでも地図を頼りに道路があるからと県道290号にこだわったところ、急カーブの続く狭い道路で民家もないところを延々と走ることになってしまいました。ここだけで、1時間ものロスだと思います。読売新聞の記者さんが後を付けていましたから、あきれていたことでしょう。

 1月3日は行程の判断ミスです。当初、午前中に東与賀・川副を回り、午後に兵庫町・佐賀市街と予定していました。ところが、諸富町内を先導して下さる方から「初詣から15時頃帰るから」と連絡を受け、午前午後の予定を入れ替えてしまいました。
 今回の選挙戦、全体として言えたのですが、この季節は日暮れが早いです。夕方5時を回ると農村部で人に会うことが出来る確立は激減しました。一方、お正月とはいえ、お天気の良い日の午前中は、結構農作業をなさってました。道案内に頼るよりも、大切な選挙期間の土日の午後は、人手の多い市街地に行かなければなりませんでした。

 1月6日は、暮れに忘れていた浜玉町平原地区へ。その後、七山村白木を回ろうとしていたのですが、どうしても1箇所ポスター貼りに行かなければならなかったので断念。で、その場所に行ってみたら、すでにポスターは貼ってある。ここまで来て引き返すのも何だからと、唐津市厳木町の鳥巣地区を通って道の駅厳木へ抜ける山岳コースを選択。ごく数名の方と出会ったものの、夕方は本来、佐賀市大和町を回る予定でしたので、大きなロスになったと思われます。

 1月7日は神埼市城原・仁比山地区で。「あ、左手に住宅が見えるから、そっち!」と叫んでも、運転手さんにおもいが直ぐに伝わりません。そんなこんなで、うろうろしていたら、目標とはずれた方向へと進んでしまいました。

 1月9日は、選挙の追い込み期間。なのに、七山村白木へいけなかったことにこだわりすぎて、足を運ぶことに。その結果、日が暮れたにもかかわらず、佐賀を目指して国道323号を使ってしまいました。途中に住宅街はありません。冬の日暮れに農作業をする人もいません。臨機応変に、唐津市へ引き返し鏡地区や久里の方を回るべきでした。

 最終日は、蓮池公園でトイレ休憩の後、素直に引き返さずに先へ進もうとして行き止まりに。

 最後の最後まで、判断ミスが続きました。

 とにかく、冬の選挙は日暮れが早いです。日が暮れたら郡部で選挙運動にはなりません。集会の開催が出来なければ、町中のスーパーやショッピングセンターに控えるべきでした。住宅街を回っても、冬場は窓を閉め切ります。最近の家は高気密住宅です。スピーカーの声はなかなか伝わりません。天気が良くても表を歩く人は珍しいです。
 昼間郡部を回っても、夕方以降は商業施設、大原則でした。

佐賀県知事選を振り返って8 〜ポスター貼りで頭を痛めたこと〜

 今回の選挙戦で、うまくいかなかったことの象徴がポスター貼りです。ポスターの掲示板は県内2406箇所。街宣車で貼るとすれば、一日150箇所を回らなければならないことになります。前年に福岡県の糸島市でポスター貼りの手伝いをさせてもらったことがあり、その経験から考えると1時間に貼ることのできるポスターの枚数は12枚です。つまり、街宣時間の全てをポスター貼りと移動中の遊説に充てれば、離島を除くポスター貼りが不可能でないことが計算できます。
001 しかし、12月8日の事前説明会で配布された地図を見て驚きました。市町村別に地図の出来映えが全く異なるのです。一番出来が良いのは多久市です。武雄市なども比較的分かりやすいです。一方で有田町や太良町など「年配の方には文字が見えないだろう」というほど小さな地図と地元の人でしか分からないような地名のリストしかありません。これを街宣ルートに落とし込むことは非常に困難を極めます。しかも、その作業だけを行うことが出来れば良いのですが、この間に立候補手続きの書類を準備し、政見放送の原稿を準備し、公開討論会などのイベントにも出席しなければなりません。しかも、ウグイス嬢など街宣隊が決定していませんから、その段取りにも追われます。
 結果的にポスター貼り計画は後回しにせざるを得ませんでした。他の作業をしている間に、ポスター貼りの責任者を設けることが出来ていれば、今回のようにポスター貼りで戸惑うことはなかったと考えられます。
 それでも、伊万里市と鳥栖市、三養基郡、神埼市・神埼郡、玄海町、厳木町と担当して下さる方が決まったことは幸いでした。年末混雑のために到着が遅れていたポスターを事前にお渡しすることが出来ましたし、この地区に関してはほとんど、ポスター貼りを行うことやチェックを行う必要がなくなりましたから。
 一方で、手をこまねいたのが杵島郡、そして唐津市です。杵島郡は初日に終わっていると報告を受けていたにもかかわらず、現実は虫食い状態。全く終わっていない地区もありました。唐津市は一部の地区で、まとめて引き受けて下さる方がいらっしゃったので、スムーズに貼ることができた所もあるのですが、一方で一旦協力を引き受けてくれた方が、音信不通になってしまい結局、選挙期間終了後に
「政策が思想的に異なるので協力できなかった」
という内容のメールを受け取ることになりました。このように、協力者と思っている人からの協力が受けられないと、組織内は混乱してしまいます。厳しい環境のときこそ、誰でも良いからと考えるのではなく、真の協力者による強い組織を作る必要があると感じました。この両地区は、選挙前々日までポスター貼りを、繰り返し続ける結果になってしまいました。
 一方で、助けられたことも沢山あります。それは親戚の協力により、県内7つの離島のうち6つを速やかに貼ることができたことや、貼り残しの場所に街宣車が先頭になって行く必要がなくなったことです。また、大晦日には嬉野市の山間部で、洗車をしている方に道を尋ねたところ、作業を止めて掲示板まで案内していただいたり、また別の地域では、近所にポスターが貼られていない場所を見かけて「手伝ってあげるから」とポスターを取りに来てくださる方が現れたりと、いろんな方が支援してくださいました。

 いろいろ不満を書くと言い訳のように感じる方もいらっしゃるかと思います。しかし、失敗経験を記録しておくことが、未来に立候補する人の役に立つと考えて記しています。

 ポスター貼りの責任者を設けなかったことで、完了場所のチェックが行えなかったことも大きな反省材料です。特に杵島郡や唐津市ではこの問題が最後まで足を引っ張りました。街宣車で回って気づいた所に翌日事務所から貼りに行ってもらったり、逆にまだ終わっていないと思われた所に、わざわざ街宣車で回ると、すでに貼り終えているなど非常に効率の悪い行動が強いられました。ポスター貼りの責任者は必ず必要です。

 最近のポスターは、非常に優れています。ポスターは防水で全面のりの仕様になっています。17日という長丁場でもほとんど剥がれません。一番上の2cm程を先に貼って角度を決め、それから全体の紙を剥がしながら押さえていくときれいに貼れます。ただ、佐賀県では白石町のみ掲示板がベニヤ板そのままで出来ています。このタイプだけば、画鋲で4隅を押さえる必要がありました。
 ポスターの作成費にも注意が必要です。何も言わないと業者は法定費用で計算しようとします。しかし、法定得票数が採れない場合にはトラブルの種になってしまいます。
今回の知事選挙で私は、3000枚のポスターを作成しました。県内の業者で見積もりを依頼したところ、150万円という回答でした。さすがに高いと思い、ネットで調べて業者に依頼すると100万円を割って手配することが出来ました。「地域の業者を」と優遇できるのは、1割高いくらいまでではないのかな?
と感じます。


佐賀県知事選を振り返って7 〜政見放送と討論会〜

 今回の佐賀県知事選挙、私は立候補表明を行ってから3回の討論会と政見放送を経験しました。振り返って疑問に感じるのは青年会議所さんが主催された12月9日の公開討論会です。衆議院選挙の最中に、公開討論会を行うことが適当なのか?
 討論自体は、内容の濃い充実したものだったと思います。会場に足を運んで下さった方も、応援する候補者選びの参考になったと思います。しかし、一番の問題は新しく県知事になったのが、この時点で立候補表明を行っていない、会場にいる人ほぼ全てがお名前も知らない、山口よしのりさんだということです。結果から考えるとこの日の討論会は全くの意味を持たなかったのではないかと考えることが出来ます。あるいは、新たな候補者が現れた時点で、ネット配信する動画配信を中止することや改めて討論会を行い議論を行うことなど、工夫が必要ではなかったのかと考えられます。

 次に行われたのは、12月19日に佐賀新聞社が主催された公開討論会です。この会から4人の候補者による議論に代わりました。初めて山口新知事にお目にかかるわけですが、逢った瞬間に好感が持てる方だったことを記憶します。その時に、選挙情勢をひっくり返すことになるとまでは予測できませんでしたが、出身地の表現に対して冗談を交えながらの切り込み方だったりと、控室を和やかに出来る存在でいらっしゃいました。
 聴講者として討論会に足を運んでみると、候補者に質問してみたくなることがよくあります。今回候補者として参加して分かったのですが、選挙直前に開催されるこのような討論会では、全ての候補者の発言が平等に伝わるように、発言順や時間について厳しく制限されているのです。会場から質問を受け付けると、それぞれの候補者が得意分野・そうでない分野によって、回答に要する時間も変わります。時間管理を難しくし、公平な会の運営が出来なくなることが理由に行われることが分かりました。もちろんテレビ討論会に関しても同じことですが、今後、討論会が発展的になるためには、会場に足を運んで下さった方からは、事前に質問を受け付けるなど工夫をすれば、より多くのテーマに対して議論できるのでないかと感じます。
 公開討論会が大勢の有権者を前に主張し合う一方で、21日夜に行われたサガテレビの討論会は、スタジオを会場に司会者と解説員の下で議論が深められます。テレビですから、メイクアップがあります。事前に30分程度の打合せなどを行った後の収録は、CMの時間を含めて、そのまま生放送で使えるように発言やテレビに映る時間はコントロールされます。発言時間が少なくなった私に、最後のまとめ的な質問が回されていたのも、このためです。2分間のCMの時間には、メイクの手直しやお水が与えられます。2時間ほどの番組に、これほどのスタッフがかかり、細かく管理されているのかと驚きました。いきなりふられる質問には、戸惑うことも多かったのですが、諫早湾開門問題ではオリジナルの回答が出来なかったことなど、残念に感じることも少なくありません。

DSC_8210 22日には政見放送の収録が行われました。収録は告示日の受付で申込み、翌日の収録も可能ですが、街宣活動に影響するので、基本的に全ての候補者が事前収録を行います。
収録順番は、選挙の事前説明会の会場でくじ引きが行われ、私は12時半にサガテレビ、14時にNHK、15時半にNBCラジオという順序で回ることと決まりました。
(後に候補者が4名になったことで、2日に分けて収録されています)
 収録はテープの確認などを含めて30分程度です。テレビの最初には、メークも行われます。今回の政見放送には2種類の原稿を準備していました。実は、公共倫理に反するなどの場合に、放送できないことがあるらしく、直前の衆議院選挙でもこれに抵触して、放送できなかったケースがあったとの情報をいただいてました。公共倫理といわれても、どんなことが基準になるのか分かりません。そこで、NHKで使う原稿とは別に、民放の2局で使う原稿を当日に準備したのです。
DSC_8258 どちらも、練習の時間がほとんどない中で、内容を制限時間ぎりぎりまで活用して、うまくまとめることが出来ていたのではないかと感じています。もっとも、選挙期間に放送されるこれらを、私が視聴したのはNHKテレビの最終回で最後の15秒ほど挨拶を行う部分だけでした。5分30秒という時間におもいをこめること、長そうで意外と短く、難しいところでした。なお、テレビの政見放送には手話通訳士を付けることも出来ます。しかし、原稿を事前準備できる見込みが立たず、打合せも難しい私は手話通訳を付けないで行いました。

003 政見放送の申込みには、供託金(300万円)の納付書が必要になります。これは、テレビ局へ収録に行くとメイクからカメラマン、ディレクターまで多くの人手がかかっていることが分かります。特にNHKでは、局のお偉いさんが出迎えて下さいます。新聞に掲載される名刺大の広告でも4回で100万円を超えるという費用が、公費負担で行われるわけですから、選挙出馬の意志を正式に示す意味でも、その確認が必要なことはうなずけます。また、大きなお金が動く政見放送ですから、サガテレビさんには3回の放送全てを平日の10時台という、ほとんどの人がテレビを見ない時間ではなく、朝夕など食事の時間などにも行って欲しいと感じました。
 ちなみに私が供託金を納めたのが15日、サガテレビとNBCラジオに政見放送申込みを行ったのが17日、NHKに申込みを行ったのが18日(事前受付は17,18日の両日)でしたが、その間の16日に山口新知事が立候補表明をなされたのも偶然ではないものだと感じています。

 今回問題にした公開討論会にも、演題に立つ条件として「供託金納付の確認」を行うことなどを仕組みに取り入れれば、立候補予定者が出馬を見合わせる、という事態を防ぐことにつながるのではないかと感じます。

佐賀県知事選を振り返って6 〜街宣隊の実力と行動のギャップ〜

 選挙があることは分かっても、日程が決まらない選挙。そして、衆議院選挙と同じ時期に行われる選挙では、思ったようにスタッフが集まりません。ただでさえ、私を応援して下さる方々は、個人で小さな事業を営む方が多いので、年末年始のかき入れ時に動ける人など、ほとんどいらっしゃいません。

 ウグイス嬢も同様で、乗務してくれる方を集めるのに苦労しました。口約束していた知人は全滅です。主婦の方も多いこのお仕事、お正月にまとまった仕事を入れられる人も少なかったようです。それでも、11月のうちに支持者の方から「新人だけど、声を出す仕事をしている子がいるから」と2名のウグイス嬢をご紹介頂きました。しかし、17日間全ての乗務できる訳ではありません。「なんとか一日2人は」と思いながら探して頂きました。派遣会社から12月5日、12月12日に、それぞれ関東と関西から「問い合わせいただいてるけど、交通費などがかさむので断りますか?」と連絡をいただきました。そんなことは言ってられません。遠くても、声をかけていただけるということは一つの縁ですから。ドクター中松が行っていたウグイス嬢に頼らず、自分の声を録音してマイクから流す方法も真剣に考え、レンタカー会社に機材の確認まで行いました。

 選挙の手伝いをしてくれるスタッフが集まらなくても選挙は始まります。衆議院選挙真っ只中の12月8日に選挙の事前説明会が開催されました。沢山の書類の中に、ポスターの掲示箇所を示した地図も入っています。市や町ごとに地図の出来が異なります。出来が良いのは多久市や武雄市でした。提出書類の準備と並行して、地図を見ながら街宣計画も考えます。ポスター貼りの人手もない。
 街宣活動を行いながら、ポスターを貼る覚悟を決めました。ポスターの掲示板前に着いたら、ウグイス嬢にポスターを貼ってもらい、その間に私が演説を行うという方法です。
 ところが、ウグイスさんからこんな確認が。

「街宣中にポスター貼りもされるとのことですが、ウグイスがポスター貼りをするのは、公職選挙法上問題ないのでしょうか?
 ポスター貼り等労務者の報酬は上限1万円なので、ウグイス料金がそれ以下なら問題ないと思いますが、飯盛様から派遣会社にお支払い頂いているウグイス料金はそれを越えているのではないでしょうか?
 報酬をもらっているウグイスが、無償で行うべき電話かけを手伝うのは違法と聞いておりますが、労務者の上限を超える金額をもらっているウグイスがポスター貼りを手伝うのはどうなのでしょうか?
 ご確認頂ければ幸いです。
 公選法に触れないことは何でもさせて頂きます。」

と。これには、選管でも即答することが出来ませんでした。そして、結論はNGということに。こうなると、運転手さんか私が貼るしかなく、最終的に私自身がポスターを貼ることになってしまいました。

 当初の街宣計画は、前半戦はポスターを貼りながら回るので、12月30日までは県内全市町村を回る。それ以降は進捗状況を見ながら、遅れている地区を回る。1月5日以降は人が集まる地区を回る。という事にしていました。

 そんなもたもた感の漂う選挙準備が、12月18日に届いた一通のメールで一転しました。
「・・・・・・
 そちらの陣営でウグイス嬢が足りず、困っておられるとお聞きしました。
 ・・・・・・
 私はプロのウグイス嬢ですから、選挙に関しての決まり事や遊説カーの事情などは心得ております。新人さんで初めて選挙をされる方には、きっとお役にたてると思いますので、まだウグイス嬢をお探しであれば、担当者の方から直接ご連絡を頂ければありがたいです。」
 突然のメールでしたので、3日だけ待ってもらうことにしました。これまで考えていた体制が変わる問題(チーフが代わることになる)。乗務日程の問題(街宣車に2人乗る予定が3人になることも)。お金の問題(宿泊費がかさむこと)。
 身元が分からないので採用を見送るか、人員が不足する年明けから入ってもらうか、選挙期間17日間全て入ってもらうか。ここで私は、占星術を使って全期間乗務をお願いすることにしたのです。


 坂田優美さんが加わったことの効果

 このメールの送り主が、後に新聞でも話題になった坂田優美さんです。ここで一番、気になったのがチーフを変えることです。「ウグイスさんの世界は女性の世界、力関係も微妙で選挙の後半戦になって宣隊がまとまることも、崩壊することもウグイスさんの人間関係次第」と事前に伺っていましたので、当初チーフにと考えていたウグイスさんに事訳を入れるところからはじめました。
 坂田さんが入っていただいたことで、宣隊の準備は急速に進みました。必要な備品のチェックや手配、ウグイスさん達の打合せ、そして当初は行わない予定だった出陣式の企画まで行っていただきました。
 でも、全てがうまくいったわけではありません。候補者本人に集まっていた取材が、選挙終盤に坂田さんが注目されはじめ、候補者本人と坂田さんの2人に対して取材の依頼が入るようになりました。結果として街宣車が足止めされる時間、街宣から戻ってからの取材時間が長くなってしまったことです。PRのために取材は丁寧にお答えしたいところです。しかし、選挙終盤に効果が見えない取材時間が延びたことは、管理面で反省すべきことだと感じています。


 ポスター貼りをスタッフに任せられなかったこと

009 ポスター貼りの人手が足らないことは、深刻な課題でした。当初から自らの手でポスターを貼りながら選挙運動を行う予定でしたが、有力な街宣スタッフが集まったことで、この戦略は大きなロスを生じる結果になってしまいました。2人乗務の予定だったウグイス嬢が常時3人乗っている車を、ポスターを貼る間止めなければいけません。しかも、候補者自らポスターを貼るわけですから、住宅地で演説もせずに街宣車が止まってしまうこともしばしばなのです。また、ひとけのない山の中を走ることも、しばしばです。
 ポスター貼りは直前になって、あるいは選挙が始まって間もない頃から、近所の方や同級生、そして親戚からの協力が得られるようになりました。さらには、「うちの地域には候補者のポスターが貼ってないけど手伝いましょうか」とメールや電話をいただけるようになりました。こんなときのためにも、ポスター貼りの責任者を設けておけば街宣車のロスを減らすことが出来たのではないかと感じております。


 ウグイス3人の魅力

DSC_8596 ウグイス嬢が3人同乗していると言うことは、車内が華やかになります。ワンボックスカーで走って中央の列に3人が並び、左右の窓から沿道の皆さんに手を振り、挨拶が出来、中央の席でマイクによる呼びかけが出来ます。その効果は、遊説を外で見聞きされた皆さんの方が、より感じていただけたのではないかと存じます。

022 一方で、注目も集まります。当然窓側に座る2人は、マイクを持っていないわけですから、沿道の皆さんと対話が出来なければいけません。候補者は助手席に座りますから、特に右側に座るウグイスさんは重要になります。候補者の代役としてみられていることを自覚できる人手なければ務まりません。ただしゃべれたら良いのではなく、意識の高い日とを配置できるかが重要でした。


 運転手選びの重要性

 今回の選挙戦、年末年始と言うことで運転手の確保に苦労することは、はじめから予想していました。1日12時間の労働ですから2人確保する必要があります。まずは、1人を確保するために、定年退職しているおじさんにお願いしました。
 通しで乗務してくれる人が見つかると、後は交代要員です。今度は地元の地理に詳しい日とを優先したいです。最終的に12月26日のみ1人で乗務していただくことになりましたが、ほかの日は交代で乗務していただくことが出来ました。
 当初の計画では、交代の運転手さんも同乗していただき、1〜2時間ごとに交代してもらう予定でした。ところが3列目に控えていると、前の窓が開いているために寒くて耐えられないという声が出されました。そこで、交代要員はJRで指定の駅まで向かって待機し、そこで交代する仕組みをつくりました。期間中は県内の公共交通を無料で乗車できるパスが支給されます。ちょっと割高感もありますが、個別にお金を出す必要がありません(完全公費負担)。振り返ると、積極的に活用すべきだったと感じます。
 ところが、控えの運転手が乗務していない時に困ったのが、運転手が眠気に襲われることです。選挙序盤から中盤にかけて、非常に悩まされました。交代要員はいません。候補者である私が運転することは可能ですが、現実的ではありません。3人いるウグイス嬢にお願い、ともいきません。これは、ポスター貼りと同様に報酬の規程に抵触します。そして、選挙カーの運転手は事前に届出が必要です。仮に1名追加するにも、車両の検査から全てやり直しが必要になるのです。
 この問題は、運転手が若い人(40〜50代)に代わる選挙終盤には解消できたのですが、選挙区が小さい県議会議員の選挙や大都市の総選挙ならともかく、参議院選挙や知事選には若い運転手の確保が重要になります。そう考えた時に、コストは割高になりますが、レンタカーではなくタクシー会社と契約することも、前向きに考えるべきだと感じました。期間後半の4日間を、二種免許を持った友人に運転してもらった時に、ウグイス嬢が受ける負担は大きく違ったようです。助手席にいる候補者は、地図と格闘していましたから、運転がうまいだけでは満足できないところもありましたが・・・。

 運転手選びで、もうひとつ気をつけないといけないのが、地元の道路事情に詳しすぎてもいけないことです。「え!」と思われるかもしれません。しかし大切なことです。私自身も建材店として県内を走り回っていましたから、渋滞が予想されると反射的に、知っている抜け道へとハンドルを切ります。今回務めて下さった方の中には、地元の土木会社に勤められている方がいらっしゃり、同じように抜け道に詳しいのです。ところが、選挙カーは速く目的地に到達すれば良いのではありません。いかに多くの人たちに声を聞かせ、名前を意識させるかが重要なのです。渋滞の中を走ることは大歓迎なのです。一方で、抜け道にハンドルを切ると民家がなくなってしまいます。新しいバイパスだけでなく、地図を見てもあまり意識しないような新道も、出来るだけ避けた方が、人と接する機会を増やすことが出来るのです。

 いろんな要因が街宣車の効果的な活動につながります。常に研究が必要な分野だと感じました。

からだと土地に良いお米作り

003
 久しぶりに農作業を行いました。選挙も終わり2月4日に土用も明けて、天気も良く農作業日和でしたので。

001
 ここ数年、佐賀県が認定する減農薬減化学肥料による特栽認定を目指して取組を行っていました。その中で気づいたのは、中途半端な取組では市場価値を見いだせないこと。そして、病害虫に弱くなることなどです。
 そこで今年は、(株)ジェムさんの完全有機の肥料を試すことにしました。わずか15aの水田。普通に収穫があればお米12俵。金額にして15万円弱です。そこに投入した肥料の料は、なんと 75,000円。ほとんど趣味の世界ですね。
 しかし、先の知事選で選挙公報に取り上げるなど「食」の問題は深刻です。解決には、損得だけで語ることが出来ません。

002
 この有機肥料、扱うのも大変です。塊を手でほぐしながらでないと、まくことが出来ません。想像以上に冷たく、手が凍傷になりそうでした。3時間かけての作業が終わり、次は耕耘作業が必要になります。
 いずれにしても、どのような成果が得られるか楽しみです。

 知事選に比べたらリスクは小さいでしょう。

佐賀県知事選を振り返って5 〜事務所スタッフは必要〜

 今回知事選挙を経験してみて、選挙を行う上で最低必要な組織と人員がどのくらいか分かったこと、これは大きな収穫だったのではないかと感じます。

 選挙をやる上で必要な人数。これは候補者1人でも可能です。よく「会計責任者が必要だろう」とか、「選対本部長は」と聞かれました。確かに、後援会をつくるためには会計責任者と会計責任者の職務代行者が必要とされています。しかし、選挙では候補者自身が会計責任者など全ての役職を兼ねることが出来ます。立候補届出の代行する者、ポスター掲示の責任者なども全て候補者本人が行うことが出来ます。

 一方で、今回それを経験した私は、このやり方では知事選を戦うことは無理であることを学びました。では、お薦めしないまでも候補者本人で対応できるのはどこまでか?ということを考えてみます。意外に感じられるかもしれませんが、会計責任者は必ずしも必要ではありません。これは、お金を沢山使うために必要なポストですから、いなければ選挙が回らないというものではありません。ただ、当選した場合に、事務処理を後回しにすることは出来ませんので、首長を目指す場合には、あまりお薦めできません。 逆に必ず必要なのはポスターの掲示責任者です。自治体の規模によって、何人でポスター貼りを行うかは変わってくるでしょう。しかし、地図を確認しメンバーに手順を説明し、完了のチェックを行う、そして問題が発生した場合に対応する、という事を考えるとどんなに小さな自治体の選挙でも、専属で1名お願いするべき仕事です。今はポスター貼りの作業は簡単に、しかも美しく貼ることができます。おそらく小城市の100箇所なら私が1日で貼ることも可能です。だからこそ専属で1名のスタッフが必要なのです。
 それから街宣活動の責任者です。地域の事情に詳しい人なら街宣車の運転手が兼ねることも可能です。候補者自らが選挙戦全体の街宣行動を計画し、翌日回る地域を考え、さらにどんな道順で回るかを考えると、候補者が本来の選挙活動に集中できません。大まかな時間を伝えることで、後は責任者の案内で街宣が出来ること、これはとても重要な役割です。その意味では、随行車を設ける余裕があることは理想と言えるでしょう。
 そしてもう1人が事務所スタッフです。訪問者への対応と配布するビラへ証紙貼り、そしてメディアや様々な団体から送られるアンケートに候補者の代わりに対応することが求められます。事務所が留守では、せっかく足を運んで下さった方を門前払いにしてしまうことになります。

 どんな選挙に出る場合にも、以上の3人は選挙期間中、常に控えてもらう必要があるのです。

  さて今回の佐賀県知事。ポスターは2406箇所に貼る必要がありました。鳥栖三養基地区、神埼地区、小城地区、伊万里市、玄海町は告示日までに、全てのポスターを貼る担当をお願いできたもの、佐賀市、唐津市をはじめ県内西部を中心に遅れが生じ、しかも、全体の責任者を決めていなかったために、すでに終わったつもりでいた大町町や白石町、唐津市で何度も繰り返して足を運ぶ必要に迫られるなど、当初予定していた以上に人手をかけることが出来たのに、17日間の選挙戦が終わるまでポスター貼りにかかるという結果になりました。
 街宣車の行動でも反省点は数え切れないほどあります。2014年末の衆議院選挙では、候補者自らがハンドルを握って街宣されていた方もいらっしゃるそうです。それほど、急な選挙は人手不足に悩まされます。運転手なら、ただ運転できれば良いというものではありません。運転がうまく、愛想が良く、さらに地元の地理に詳しければいうことはありません。しかし、それが出来なくても、運転がうまいことは候補者とウグイス嬢にとってどれだけ負担が少なくなるか、とても大きなポイントを占めます。今回の選挙では、6名の方に運転手を務めていただきました。その中の1人に神戸市から来てくれた友人がいます。彼は2種免許を持っているためにとても運転がうまく、丁寧です。乗っていて安心感が違います。長距離移動と長丁場の知事選挙では、地元にこだわるよりもうまい運転手を探すことも重要になります。そして、地元の地理に詳しくない方が運転する場合に活躍するのが街宣活動の責任者です。街宣ルートを作成し誘導できることが強みになるのです。
 今回の選挙戦。山間部を走りながら道に迷ったことが何度あることか。その時間のロスは、致命的なものです。山間地など過疎の地域へも,足を運ぶことは大切なことだと考えています。だからこそ、地域の事情に精通した方の協力が不可欠になります。

 建材店を営み、地理感に詳しいと思っていた私の選挙運動を、最も阻害したのがメディアへの対応や団体からのアンケート依頼です。昼休みに地図を見る時間を与えてもらえません。事務所へ戻るとアンケートの対応に追われます。メディアからのアンケートは回答する内容がほぼ同じなのに、記入するフォームが違うのです。コピーペーストで終わる内容ですが、手書きで対応する必要があるのです。さらに取材があります。県知事選のレベルではメディアや団体対応には専属で対応する事務員が必要だと強く感じました。
002 このほか、集会を行う場合には、その規模に合わせてスタッフは必要になります。活動の規模を大きくすればするほど、お金と人手は必要になります。一方でドクター中松の選挙運動を経験して、ウグイス嬢はいなくてもしっかりした運転手とスタッフがいれば選挙は出来ることも学びました。

 しかし、どんなに小さな選挙運動を心掛けても、候補者本人が街宣活動に集中できる環境をつくる、その為にもアンケートを処理し、メディアへの電話対応の出来る事務員を置くことは必修要件です。

佐賀県知事選を振り返って4 〜年またぎの選挙が与える影響〜

 そもそも、年またぎの選挙がいかに、極めて異例な場合にしか起こらないかを、考えてみて下さい。
 任期満了に伴う選挙が年をまたぐことは考える必要がありません。国政選挙の補欠選挙は、年2回4月と10月にしか行われません。衆議院の解散総選挙は全国が舞台です。その選挙をテレビ局がかき入れ時の、年末年始のお休みに行うことなど許されるはずがありません。一方で、市町村の選挙は選挙期間が短いです。市長・市議会で1週間ですから、この種の選挙でも年またぎの選挙が行われることはありません。
 結果として、県議会が解散した場合と県知事が辞職した場合にしか起こりえないのです。そして、選挙期間が18日間と長く、首長が辞任して50日以内に選挙を行わなければならない規程がある知事選挙だけが、現実に年またぎ選挙を避けることが難しいのです。
 そして今回、年またぎ選挙が現実となった佐賀県知事選挙。おそらく全ての候補者が明確な形で苦労したのが次の3つでしょう。
・ 年末年始は新聞広告が自由に行かない
・ 選挙公報が思った時に届かない
・ 選挙スタッフが集まらない

影響にはそれぞれ違いがありますが、社会構造として2点については改善されるべきだと感じます。


1.年末年始は新聞広告が自由に行かない

 選挙中に配布出来る文書には、選管から発行される証紙を貼らなければなりません。これは、選挙の届出が受理された後にしか交付されませんから、前もって準備することが出来ません。
 一方、新聞社では年末年始が繁忙期であるために、折込の締切を1月5日までのものについては、12月19日までとされていたのです。社によっては新聞休刊日があり、どんなに早くても1月7日以降にしか折込むことができないというのです。
 これは全くの想定外です。事前に行おうとした後援会活動としての折込が衆議院選挙の関係で認められず、今度は選挙期間に配布できるビラを新聞に折り込むことも選挙の終盤にしか行えないなど、無名の新人候補にとっては致命的なハンディです。
 この課題に対しては、他の候補者からも「特別なケースだから対応して欲しい」とお願いがあったということで、佐賀新聞に限り26日朝8時までに入稿することで「1月4日に折込みの対応をする」との回答をいただくことが出来ました。
 しかし、ここにも大きなハードルがあります。証紙を受け取ってわずか20時間あまりの時間に、1月4日に折り込むチラシ全てに証紙を貼り終えなければいけないのです。クリスマスという日に大勢の人手を必要とします。しかも、出来上がったものを全て折込んでいただけるということではなく、事前にその数量を届け出る必要があったのです。結局、このタイミングで折込予定を組むことが出来たのは、佐賀新聞の鳥栖市、三養基郡、唐津市の約2万枚です。約10名の皆さんによる協力の下、この日のうちに貼っていただいたシールの数は3万枚近くになっていましたから、臨機応変の対応をして頂ければと感じたものです。ビラの証紙貼りに人手を割いたことは、結果としてポスター貼りの遅れにつながったのではないかと、振り返ることが出来ます。

 ちなみに、この選挙用ビラの折込は有り難いことに特別価格が設定されます。通常の折込価格のなんと、1.5倍です。


2.選挙公報が思った時に届かない

 様々な制約の中で公約を浸透させることが出来る手段に、選挙区全ての世帯に配布される選挙公報があります。しかし、ここにも年またぎの制約がありました。
 佐賀新聞社で印刷された選挙公報、原稿は締切の26日に印刷され翌日には各自治体へ届けられています(そのはずです)。そして、自治体から区長や自治会長さん宅へ届けられるのですが、ここに問題が生じたと推測されるのです。
 年末の忙しい時期のために、それぞれの世帯へ届けられる時期に、大きなバラツキが生じているのです。さらに新聞などの紙面もボリュームが大きい時期です。選挙後にお話しした方の中には「公報に気づかなかった」という方もいらっしゃいました。本来、速やかな配布が行われるべき選挙公報が、候補者の意図しない形で配布されることになってしまったのも年またぎの選挙の大きな課題です。


3.選挙スタッフが集まらない

 年末年始はただでさえ忙しい時期です。宅配便やショップでも季節限定の求人が出されるときです。そんな時期の選挙に、スタッフを確保することは容易ではありません。しかも、選挙があると決まってから、選挙の日程が決まるまでにも時間がかかりました。ウグイス嬢を確保することはもちろん、運転手の確保、ポスター貼り要員、そして事務所のスタッフを確保することも困難を極めました。当然のように想定していた金額を超える予算の提示が必要になります。
 最終的に、1日あたり2名以上のウグイス嬢と運転手を組み込むことは出来たものの、予定していた手当を支払う事務員さんを確保することは出来ず、選挙期間中にアンケートやマスコミへの対応などを候補者である私が行わなければならないという、大きなロスを生じる結果になったのです。
005 ちなみに、統一地方選挙を想定して計画していた予算案は、ウグイス嬢を1日2交代の各2名で4万円(トータル約70万円)、運転手を1日2交代で1万円(トータル約20万円)、事務員2名トータル60万円というものでした。実際には、ウグイス嬢を県外から派遣で採用したことと、運転手の日当を2倍にしてお願いしたこと、そしてポスター貼りなどの労務者に費用負担したことで、計画通りとは行きませんでした。
 一概に年またぎの選挙が費用負担を膨らませたとは言えませんが、人の面で選挙戦を効率的に行うことが出来なかったことは、選挙に時期が影響したといえるでしょう。


 全ての候補者が同じ条件で戦う選挙戦とはいえ、組織力と知名度のない新人候補としては、選挙期間をさらに短縮するようなマイナスの影響があったと考えられます。

佐賀県知事選を振り返って3 〜任期途中の知事選は禁物〜

 無名の新人が任期途中の知事選に立候補するという冒険は禁物です。

 任期満了によらない知事選挙、実際にはどのようなケースがあるかを考えてみました。
1.衆議院解散により現職知事が総選挙に出馬する場合(今回のケース)
2.通常選挙に現職知事が出馬する場合
3.別の地方選挙に出馬する場合(大阪府知事の橋本さんのようなケース)
4.現職知事が病気などを理由に辞職する
5.現職知事が議会の追求によって辞職に追い込まれる
6.現職知事が住民投票によって辞職に追い込まれる
7.現職知事の死去による

 それぞれのケースが同じに、全く勝機を見いだせないというわけではありません。厳しさには違いがあると考えられます。

 このうち、知事になることが出来る可能性を秘めているのは、住民投票で知事辞任(リコール)の場合だと考えられます。リコールの署名期間(最大2ヶ月)、成立から住民投票(60日以内)、知事の失職、そして知事選挙(50日以内)と選挙へ向けた準備を進めるだけの十分な準備期間が確保できるからです。リコールの段階で推進の旗振り役を務めれば、知名度を上げることもできます。無名であっても知事を目指すということは、すでに現職に対する問題意識を持っているわけですから、仮にリコールや住民投票で現職知事の辞職が実現できなくても、任期満了で行われる選挙に対し、マイナスになることは考える必要はないでしょう。

 しかし、その他のケースは、まさに突然やってきます。現職知事が病気で辞めること、これは通常考えられません。今の政治家の皆さんは、その職に執着があります。そして、今回知事選を経験して分かるように、選挙ではお金を使います。職務は副知事に依頼しながら、病床で職責を全うしようとすることは自然な判断と言えます。このケースでは、無名の新人が挑戦するための情報を得ることが出来ません。任期満了での選挙に備えることが現実的なのです。
 その病気療養中の知事が死亡しても、事前情報が入らない新人候補には、選挙まで最大50日という日程では、今回私が経験したように準備不足になると考えられます。病死・事故死関係なく無名であるハンディを打ち消すには厳しい期間です。知名度を上げることはもちろんですが、選挙日時をコントロールできませんから、選挙スタッフを採用するだけでも苦心することになります。マスコミへの対応とスタッフの準備、そして事務所の立上という作業を短時間で行えるだけの、強みがあれば話は別ですが。

 議会の追求によって知事を辞職した場合はこう予想します。知事が辞職するまではメディアの注目は議会に集まります。知事は辞職をほのめかすことなどあり得ませんから、それを推測することは出来ません。立候補予定者に、お金の余裕があれば事務所などの準備も可能ですが、無名の新人候補にその余裕はありません。知事の死去による選挙と同じように、50日以内での選挙準備という厳しいものになるでしょう。

 現職知事が、ほかの選挙区に出馬するケース。そして国政の通常選挙に出馬するケースです。それぞれの選挙は日程こそ決まっているものの、事前に動きを予測することはできません。50日以内での選挙準備が必要です。しかも、現職知事が目指す選挙が参議院選挙である場合、選挙運動期間が同じになる同日選挙が予想されます。国政選挙と同じ時期にスタッフや選挙用品を準備することは非常に難しいことになるでしょう。ウグイス嬢捜しはもちろん、選挙カーの準備、そして運転手の手配も容易ではありません。立候補表明を行ってから、準備が進まない苦労(同じタイミングで国政がある以上、時間がたてば経つほど厳しくなると予測される)を味わうことになると考えられます。

 そして、今回私が経験した現職知事が総選挙に出馬する場合です。前回の総選挙でも、東京都知事の石原さんが辞職し、ダブル選挙になりましたが、今回の県知事選挙は総選挙が終わってからの選挙日程でした。いずれの場合も日程が決まらないことは,選挙の準備が出来ないことが最大の課題です。ウグイス嬢や運転手、レンタカーの手配、ポスター貼りの依頼など、お金を必要とする全てのことが日程が決まらなければ始まりません。もちろん、記者会見を行い知名度を上げる活動は出来ます。しかし、選挙日程により大きな障害が発生します。
 同日選挙の場合、衆議院選挙の期間(12日間)は知事選挙の期間に含まれますので問題はありません。しかし、知事選の日程が一週間でも遅い場合、知事選挙の期間でない衆議院選挙の期間が生じ、その間は知事選を目指す立場であっても後援会活動に制限がかかるのです。街頭で演説を行うことも出来ません。

063 今回の場合、知事が辞職表明されたのが11月25日、私が立候補表明をしたのが11月27日、衆議院選挙の公示が12月2日、投票が12月14日、そして県知事選挙の告示が12月25日でした。このうち、12月2日から14日の13日間の活動が制限されるのです。 メディアに注目してもらえる期間のほとんどが、街頭で活動できない期間になってしまったのです。表だって活動できるのは立候補表明から実質15日間しかなかったのです。 当初計画していた全県に新聞広告を打つことも出来ませんでした。立候補の説明会は12月8日でしたので、届出資料の準備も出来ません。
 結局その間、私はドクター中松と香港に行ったり、選挙応援に勉強に行ったりしていましたが。

 同日選でなかったことで、スタッフを揃えることは出来ました。選挙活動をメディアに取り上げてもらうことも出来ました。しかし、準備期間に名前を売ること,政策を売ることのほとんどが出来なかったというのが今回の教訓です。

 一方、立候補表明が遅れたように見える山口新知事ですが、このような公職選挙法の制限により、実は出遅れではなかったとも考えることが出来るのです。


 このように、任期満了ではない選挙に無名の新人候補が立候補しても、メディアに取り上げてもらうことと、選挙準備を並行して行うことには、任期満了の選挙とは比べものにならない大きな壁が生じるのです。

 もし、これから知事を目指す方が、突然選挙になって欲が生まれた時には、心して対応なさることをお薦めします。


 なお、私の記事は出馬する選挙で,知事になることを目指すことが前提となります。本末転倒でありますが、売名行為や主張をするだけの立候補には、当てはまらないことがあります。

佐賀県知事選を振り返って2 〜長丁場でも重要なのはスタート〜

 17日間という半月以上にわたって行われるのが知事選挙です。期間も範囲も同じく全県を舞台に行われることから、参議院選挙と同じように考えられます。しかし、参議院選挙は国政選挙のため政党の代理戦争です。メディアの注目は首相や政党の党首・幹部が中心になります。候補者がメディアから注目される状況は比較にならないのではと感じます。
 そんな長丁場の選挙戦。いろんなことができそうなのですが、現実にはそういきませんでした。選挙に精通した方々には常識なのでしょうけど、組織に頼らない選挙を行った私は、そのことが身にしみた選挙戦になりました。しかも、現職の辞職による選挙、年またぎの選挙というものが、無名の新人候補者にこれほどマイナス要因になると言うことは想像できませんでした。
 選挙の結果は8割方、告示日の時点で決まっていると言われます。今回の選挙では、告示9日前に立候補を表明した山口新知事が当選されたことで、この点が当てはまったとは言えません。しかし、本命視されていた樋渡候補のポスターに見られるような準備不足と佐賀市長をはじめ有力な地元政治家の方が明確に山口新知事を支持表明・応援された動きの速さを見ると、有権者や支持者の方が気づく前から選挙の結果が見えていたのかもしれません。そして私の結果は、知名度不足を補うだけの組織力がないままの立候補だったことからの必然と言えるでしょう。
DSC_8335 想定していたこととはいえ、ポスター貼りに手間取ったことはもちろん、メディアが取り上げる情報をコントロールできなかったことが、最大の問題だったと感じています。
 県知事選挙の候補者は、選挙が始まると時間がなくなります。8時から20時までの屋外での選挙運動が出来る時間はもちろん、その前後の時間もマスコミへの対応に時間を割かれます。休憩中に街宣隊の皆さんがくつろいでる時間も、テレビや新聞の取材で追われます。結果として新聞やテレビを見る時間がありません。新聞は朝15分ほど佐賀新聞に目を通すことは出来ましたが、選挙に関するテレビ放送を目にしたのは、太良に宿泊した1月8日の朝に、政見放送で最後の挨拶をする部分の15秒だけです。ほかの番組や新聞でどのような取り上げられ方をしているのかを見ることすら出来ませんでした。当然、それを検討し対策を打つことなど出来ないのです。つまり、選挙戦が始まる時にメディア対策が出来るスタッフの体制とポスター貼りの準備が出来ていないと、常にマイナスイメージの情報が発信されることになり、選挙結果を覆すことは困難になります。 勝つための選挙を行うには、いくらお金をかけるかではなく、スタートダッシュに最高のパフォーマンスを見せられるように準備することこそ、無名の新人候補が心掛けるべきテーマだということを学びました。17日間の長丁場の選挙戦、マラソン競技と同じです。後半の追い込みは大切ですが、それは先頭集団にいてこそ意味があるのです。マラソンのテレビ中継を見ていると分かるように競技場から道路に出た後、序盤に先頭集団から脱落た選手は、その後カメラの視界に入りません。無名の新人が行う選挙も同じです。選挙資金の半分をこの日につぎ込むくらいの覚悟が必要です。

DSC_8328 そして今回の選挙、スタートでの出遅れが必死となった最大の要因が、前職知事の辞職による繰り上げ選挙にあると考えています。結論から言いますと、立候補表明をしていないタイミングで決まった繰り上げ選挙に、無名の新人候補は挑戦すべきでありません。私が挑戦しようとした県知事選挙は、2015年4月12日に予定されていました。使えるお金と準備期間を考えると、告示日の3ヶ月前のタイミング(2014年12月19日を予定)で立候補表明をし、親戚やつき合いのある人たちへ挨拶周りをして組織を作ることが効果的だと考えていました。
 当然、立候補表明をすることでメディアからも注目されることで、幅広い政策を人々に示すことも可能になります。今回の選挙では、この準備期間の90日が失われました。
「顔が売れたね」とか「知名度が上がったね」
と言われます。しかし、あまりの短期間であったために、公に発信できた政策は原発再稼働の問題とオスプレイの問題、そして農業と食の問題に限られてしまいました。
本来問題として提起したかった、長崎新幹線建設の判断ミスや諫早湾干拓事業の是非、合わせて、佐賀県が長崎県の総務部として扱われているのではないかと感じる不満など、問題にすることが出来なかったのです。始めから当選を目指すのではなく、政策や思いを示したいというのであれば、選挙期間だけでもそれは可能でしょう。しかし、私が目指したのは、当選することです。選挙の戦い方が違います。
 振り返ってみると、政策や思いを伝えるだけの選挙や供託金を足られない選挙なら、ほかにも進め方はあったと思います。しかし、それではない選挙を行う以上、告示日までに組織固めと政策の浸透が出来なければならないのです。これからも、不祥事をはじめ様々な要因で、任期満了ではないタイミングでの知事選挙は行われるでしょう。
 しかし、無名でも志を持って知事を目指される方には、私の経験を是非参考にしていただきたいと思います。任期満了でない選挙には出るべきではありません

佐賀県知事選を振り返って1  〜カネのかかる選挙〜

収支報告書 佐賀県知事選挙を終えて3週間が過ぎました。収支報告書の提出も終え(通信費など処理が遅れているのもあるが)、ようやく選挙を振り返ることが出来るようになりました。さて、今回の選挙戦で一番お金を使ったのは私です。驚く方も多いと存じますが、1票を得るために使った金額が多いということです。収支報告書に掲載されている金額には、私個人の飲食費、宿泊費などは含まれていません。また、実際に選挙が決まってから使ったお金が計上されていますから、約一年間にわたってビラ配りなどの活動を行った後援会の活動費用や後援会の事務所費も含まれていません。さらには、得票が有効投票の1割に満たない場合に没収される供託金300万円もここには計上されません。そんな費用を考えると、おおよそ1000万円のお金を使って挑戦したのが今回の選挙戦でした。私の得票は6951票。このうちの一部は親戚や知人から義理でいただいたところがあると思いますので、多く見積もって5000票が私の理念や思想に共感して下さった皆様の思いだと考えています。そして、約5000票を得るために1000万円を使ったという事で、1票を得るために2000円を使ったことになるのです。
 一方、知事になられた山口さんは一番お金を使わなかった候補者だと思います。知事選挙告示の9日前になされた立候補表明。2週間前までは公務員ですから準備はなされていないでしょう。そして、選挙運動に使うことが出来る費用には上限があります。

○ 選挙運動費用支出制限額
  (公職選挙法第194条第1項、同法施行令第127条第1項)

  28,974,200円

参考
 <算式方法>
 選挙人名簿登録者総数(682,028人)×7円+24,200,000円
 (公職選挙法第194条第2項の規定により 100円未満は切り上げ)


 つまり約3500万円のお金で、182,795票を獲得されているわけですから、1票を得るために200円弱しか使われていないのです。いかに、効率的な選挙戦だったかを知ることが出来ます。あ、有効投票の1割を超えた山口新知事と樋渡候補は供託金が返ってきますし、ポスター作成費、ビラ作成費、選挙カーのレンタル代(ガソリン代と運転手1人の日当)も公費負担ということになり清算されますので、実際には3000万円程度(170円/票)くらいでしょうか。

 選挙が終わってから
「知名度が上がったので次につながるよ」
と声をかけて下さる方もいらっしゃいます。しかし、この内情を知れば、決して簡単ではないこととご理解頂けるのではないでしょうか。普通に働く庶民が、日本の危機を案じて1000万円のお金を費やし(正確には半年以上、普通に働くことで得られる所得も捨てているわけですが)行動することがいかに大変であるかを。今の時代に、年間100万円ずつ、8年をかけても容易に貯められるお金ではありません。よほど新しいビジネスで成功しない限りは。
 寄附とボランティアで成り立つ選挙
それでは、本当の政治・救国のための徳治政治など出来ることはないでしょう。

 後援会の解散は、少し見合わせることにしました。私を支持して下さった皆さんの期待に応える方法を考えるために。そして、私が持つ情報をこれからの佐賀、日本をになう人に伝えるために。
 そのことを実現するためには、どんな仕事に就くべきかを今、模索しています。次の行動に移るまで、しばらく見守って下さいませ。
飯盛良隆
佐賀県小城市三日月町出身。
佐世保工業高等専門学校卒業後、ブリヂストン鳥栖工場設備課勤務。橋本龍太郎通産大臣の時代に第3種電気主任技術者の免状を取得。

建材店:サンコー商事にて14年間建材の販売に携わり新築・リフォームの現場に数多く潜入。戸建て住宅でもインテリアの重要性を感じ平成20年町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー福岡校に入学しインテリアの基礎を学ぶ。

平成22年、スメトコプロモーションを設立し住宅CMサービス佐賀の運営を始める。
平成25年2月、ダブルスネットワーク(株)社との契約を解消、住宅CMサービス佐賀の運営を終了する。

平成24年3月、帝王学(氣の學問、道の教え)を学び始める。同年6月
唐津から釜山へ新幹線で!

実現するためには長崎県と佐賀県をひとつに。そしてアジアや世界中の人たちが、自然と人の美しさを求めて足を運ぶ地域にする。

そんな夢を描き知事を目指して政治活動をはじめることに。 活動に専念するために平成26年6月末にて住宅に関する事業は終了。平成26年8月末にて(株)スメトコプロモーションを退社。
平成27年1月11日実施の佐賀県知事選挙に立候補。惨敗。
平成27年12月21日
東京エムケイ(株) 入社。
Tokyo2020オリンピック、パラリンピックの関係者輸送も経験


現在
眞理學指導員 (日産鮎川義塾)
稲作農業
佐賀タクシー勤務
記事検索
お問い合わせ

名前
メール
本文
QRコード
QRコード
最新コメント
Archives
  • ライブドアブログ