TPP参加による農産物主要5品目の動向に注目が集まっています。

しかし、グローバル企業がTPPをてこに仕掛ける戦略は、商品を輸出することではなく、その国の社会を壊すことにあると考えるべきです。

農協解体の目的が「金融にある」といわれることも、うなずけます。

しかし、グローバル戦略はもっと長い時間をかけて、人々が気づかないように「社会構造を変えることが目的にある」のではないでしょうか?

この10年で、日本の農業は兼業の家族農業から、認定農家や集落営農という形で大規模化を求められました。平均面積30haで効率的な生産を行い、海外からの輸入に対抗しようという考えです。現在は任意団体?の集落営農も、法人化することを求められています。もちろん、それを前提に補助金が支給されていますから、軌道修正することは容易ではないと感じています。

さて、法人化した農家・営農団体は今後どうなるのでしょうか?

当然、海外から入ってくる農産物に、わずかな補助金をいただいて対抗することになるのですが、海外から日本に輸出する農家は規模が違いすぎます。一つの農家が

2500ha

もの農地をもつアメリカ合衆国が作る産物に対して、どう対処するのでしょう?

コメをはじめ、穀類の生産では到底太刀打ちできなくなります。しかし、守る必要がある農産物は人々のお腹を満たす穀類です。法人化た企業・農業団体が収益を度外視して穀類を作り続けることが出来るのでしょうか?
人件費の支払いが生じます。機械をはじめ生産資材の支払いも必要になります。赤字が大きくなれば、株式を売却することが必要になるでしょう。

現在は、株式会社の農地の所有は認められていません

しかし、政府の成長戦略で株式会社が農地を所有することが、認められる方向で進んでいます。大規模化した日本の農業法人が経営悪化し、外国資本の企業が農地を取得すること、また一次取得は日本企業でも、転売や資本の移動により外国企業が日本に農地を持つことが起こるのです。グローバル企業が日本で農業を行うことが現実になります。

遺伝子組み換え作物と歓迎されない農薬が、身近な場所で散布されます。地道に個人で農業を営む人の隣りや山間部で無農薬の作物を育てる人の側の田畑までグローバル企業が作付けにきます。面積によって負担金が生じる水利権に対しても、グローバル企業の議決権が日本人農家の議決権数よりも多くなることすら予想されます。


輸入食料のみではなく、国内で生産される食料の価格決定権までも、日本人が持つことは出来なくなるのです。

TPPの抱える本当の問題は、こうした国の仕組み、あり方、存立そのものを破壊することにあると認識する必要があります。


人間をつくるのは「ハードは食べ物、ソフトは教育」です。

日本人の精神「和」とは、稲穂を口にするという意味であり、お米を食べることから生まれることを改めて自覚し、グローバル企業の目指すところへ向かわないように行動することが重要だと考えています。