時代に合うように学科と学校定員を見直していきます

中学卒業者の人数がピークを迎えた1988年から25年が過ぎ、その人数は約半分に減少しています。一方で、定時制クラスの学校こそ減少しているものの、1985年以降に私立高校が3校増えており高等学校の過剰感は否めません。今後の人口バランスを考えながら早めに再編に取り組む必要があると感じています。少子高齢化で2050年には人口が現在の6割に減少するともいわれています。そうした環境が変化する中でも、生徒が充実した時間を過ごせるように、学校を変えていく必要があります。


現在佐賀県では、2020年までに13の学校を6校に統合する再編計画案を、関係者からの意見を踏まえて修正し、7月の公表を目指して検討を重ねられていました。この素案では、合併予定として
伊万里商業と伊万里農林
佐賀農業と杵島商業、白石高校
神埼清明高校と神埼高校
唐津西高校と厳木高校
鹿島高校と鹿島実業
塩田工業と嬉野高校
が上げられています。かつての合併案では、高志館高校と牛津高校という案も出ていましたが、この案が何故消えて、現行の6案が進められようとしているのか、分かりやすい基準がありません。少子化による生徒数の減少に対応しなければならないことは理解されても、地域から学校が消えることや母校がなくなることは当事者の方としては、容易に受け入れられるものではないでしょう。そうした感情を超えて、分かりやすい判断基準を示されることが求められていると感じます。


「新たな生徒減少期に対応した佐賀県立高等学校再編整備実施計画」
再編計画概要書
再編計画書
( 2013年11月14日)


これからの高等学校のあり方を考えた時に、学校が商業高校、工業高校、農業高校というカテゴリーに分けられていることが現実的なのかを考えなければなりません。 21世紀の社会に必要な枠組みはどういうものかを検討する必要があります。


かつて合併候補に上げた牛津高校、昭和期には女子校だった同校が共学になった結果、学校の特色を出しにくくなっていることも合併候補に挙がる要因だと考えます。また、ほとんどの企業でコンピュータが導入されていることと事務系職員の高学歴化がすすむ中で、商業高校は独立して存続する意味があるのかを考えていく必要があるでしょう。


こうした点を踏まえて次の基準で佐賀県高等学校の再編を提案したいと考えています。

1.普通科の県立高等学校は県内10市に各1校設置し、人口が10万人を超えるごとにさらに1校追加する。郡部にある高等学校4校(三養基、白石、太良、唐津青翔)は廃止しない。

2.農業高校、工業高校は原則維持する。

3.商業高校および生活系学科の高校は、市立高校としての存続を各自治体で検討する。


この基準を元に考えていくと、普通科の学校として三養基、白石、太良、唐津青翔、鳥栖、神埼、小城、多久、武雄、鹿島、嬉野、伊万里の12校を維持することが決まります。続いて佐賀市では佐賀西、佐賀北、佐賀東、致遠館のうち1校を廃止することになります。唐津市では唐津東、唐津西、厳木のうち1校を廃止することになります。


農業高校と工業高校を原則維持する考えに基づき、高志館、佐賀農業、伊万里農林、唐津南の4校と鳥栖工業、佐賀工業、塩田工業、有田工業、唐津工業を維持することになります。


残りの学校(鳥栖商業、佐賀商業、杵島商業、伊万里商業、唐津商業、牛津、鹿島実業、神埼清明)については、

1.存続する学校との統合すること

2.市立の高等学校として運営をそれぞれの市にゆだね、施設、事務職員、専門教科教員及び校長をそれぞれの市が担当し、普通教科の教師のみ県から派遣する。希望があれば私立の運営も排除しない。

3.該当校同士の合併で意見が集約されれば、県立高校として維持する。


この考えにより、現在示されている県立高校の再編案に比べて効果は小さいものの、地域の実情と社会ニーズに合った学校の再編が出来ると考えます。学ぶ生徒にとって必要な環境を維持・構築するためには、それぞれ学校の定員を見直すことや統廃合も実施することになるなるでしょう。時代に即した學問を提供し、子供達に時を無駄にしない生き方を教えることも先輩としての務めではないのでしょうか。


タブレット端末による授業の問題


2014年度から全ての県立高校で、タブレット端末による授業が始められました。さらに端末を導入することで「購入するタブレット端末の自己負担額が、5万円と大きいことや授業中のダウンロードに想定外の時間がかかるなど、様々な問題も耳にします。


そもそも全ての学校に一律導入することが適当なのか疑問に感じます。確かにITの技術は日夜進化しておりそれに即応できる力は必要です。また、その技術を活用することで授業環境を整備できることも確かであると考えられます。 しかし、タブレット端末を導入することでは、これからの社会に必要な人材である心の良い人は育ちません。 また、せっかく端末が導入されても教職員の数を減らすこともできないでしょう。 先生達はこうした端末で授業を行うための対応に時間が取られて、生徒指導にかける時間が減少してしまうのではと危惧しなければなりません。 今回のような機材導入は、一律に導入することよりも学校ごとに分けて導入するべきではないのでしょうか。 進学が目的である普通科高校にはこの端末を一律導入すべきではありません。それは、大学卒業を最終目的とする新入学生達は、社会に出てこの端末を活用するまでに7年の時間を要します。その間の技術革新を考えると、社会に出るときまでこの端末を使い続けることができるとは考えられません。さらに、大学に進学した時点でそれぞれに適した端末の購入が再び求められることになります。 こうした理由から、個人の持ち物として5万円の費用負担をさせてまで購入する価値があるものには当たらないと考えることができます。 一方で、商業・工業・農業系の高等学校などの場合には、3年のうちに就職活動や起業活動を迎えますから、授業以外での活用できる機会に恵まれると考えることができます。家計への負担は大きいものの導入を進めるに値するものではないでしょうか。ただ、導入に当たっては家庭の負担を考慮し月々2千円程度の分割購入を検討できる様な仕組み作りも大切になると考えています。 いずれにしても、時のニーズに合う教育システムの確立が必要になると考えています。(この場合の時とは今ではなく、その人が社会に出るときです)