1月26日、政府が農地を工場や商業施設など別の用途に変える農地転用について、許可権限を地方に移譲する改革案をまとめたようです。これによると

(1) 4ヘクタール超の農地転用は、農林水産省と協議の上、都道府県知事が許可
(2) 2ヘクタール超4ヘクタール以下は、都道府県知事が許可
(3) 農水省の指定を受けた市町村は、都道府県と同じ権限を持てる
(4) 不適切な許可をした場合、農水省は市町村の指定を取り消せる

とされています。特に(3)を認めてしまうと、行政が競って農地を転用するのではないか懸念があります。現在でも、農家に土地に対する敬意が失われています。多くの人々がお金の損得でしか物事の判断が出来なくなっています。行政は予算を単年度のお金で考えますから、より税収が増える方法、地域を循環するお金が増える方法で物事を決定します。そこには、日本の歴史や日本の未来を評価の対象にすることが出来ません。

 選挙で選ばれる首長は利権の下に成り立ちますから、大切な精神は置き去りになります。同じ首長でも10年を超えてその立場にいる方なら、時代の変化や将来を考えての政策が出来るかもしれません。しかし、一部の利益者に押されて当選する首長は今後増えていくでしょう。そんなときに、地域の文化をにない日本の食料を守る農地が無秩序に失われるのです。
 農地に対する規制を小さな行政単位で行えば、それだけ地域を見る目も狭くなってしまいます。私は賛成しませんが「農業の大規模化が必要」と叫びながら、その実現が難しくなる農地の細分化を実現することにもつながります。

 自由化が全て良いことという幻想は捨てるべきです。

 電力と水(水道)、そして農地(土地利用)にこれを当てはめては、日本が失われてしまいます。