佐賀平野の田植えもピークを過ぎ、今度の週末で完了するかと思います。昨日の大雨で予定が狂った方も多いかと存じます。そんな多忙な時期を、暇に過ごしているのが私。
028 2012年から取組みはじめた、鉄コーティングによる直播きによる効果です。
 翌2013年にはすべての圃場で田植えを辞める決断をしました。今年は6月3日に播種を終え2週間が過ぎ、そろそろ手を加える時期になろうとしています。
 写真の右側が直播きした私の圃場。左が前日田植えを終えられた方の圃場です。(6月21日朝撮影)

029 こちらの写真は反対側から。左側が私の圃場です。
 直播きに取り組んだのは、これからの時代は米の価格がさらに下落するので、対応できるようにコストを下げる工夫が必要になる、との考えからです。日本人の主食であって欲しいお米を60kgあたり7000円でつくり、1万円で消費者に提供する工夫が必要になると。

 約150aの水田にかかる時間は、直播きの場合6時間です。準備や片付けを含めても丸1日で、しかも一人で作業できます。
 一方、田植えで作業する場合、機械の性能にもよりますが田植えに10時間以上、片付けまで丸2日かかります。しかも、苗を運ぶ人などを含めて2〜3人の人手が必要になります。田植えまでの3週間、毎日水の管理が必要になります。種まきには3〜4人の人手が必要です。作業は2時間ほどですが、準備から箱を広げるまでの時間は、丸1日以上かかります。箱を広げるための苗床も整備しなければなりません。

056 日本の稲作農業は、家族労働の人件費を0円で計算して成り立ってきました。兼業農家が減少を続ける今、このビジネスモデルは成立しなくなります。人件費を考えた稲作を成り立たせるには、デメリットを受け入れる覚悟をもって、新しい技術に取り組むことが必要になっています。