ここ数年、大騒ぎしながら進められた働き方改革。騒ぎが大きくなるほど、細かい部分の対応に目が行かなくなるものです。
 確定申告の時期を迎えて「源泉徴収票」をいただきました。わずかながら年々増えている支給金額を眺め、我ながら「よく頑張ってるな」と賛美しています。一方で、制度が追従しないのが社会保険料の算定方法。手計算だった昭和の時代から進化することなく、マイナンバーが導入された平成の終わりに至っても、報酬月額を4〜6月の実績で1年間の保険料を決める方法が踏襲されています。結果、年間報酬が約240万円の私が負担する(会社負担分を含まない)社会保険料などの金額は約60万円に上ります。実に、25%もの負担を強いられているのです。
 以前勤めていたB社の時代に、事務員さんや先輩から
「4〜6月には、なるべく残業をしない方がいいぞ」
と言われたことがあります。当時と変わらない現行制度では、4月支給分に当たる3月21日から4月20日までをしっかり働く一方で、5月以降に支給される給与が、支払基礎日数17に満たないために計算から外され、高い負担のみが一年間の保険料として適用されるのです。真に働き方改革を進める意志があるのなら対策が必要です。
 制度設計は難しいものではありません。単純に、保険対象となる企業が年間に支払う報酬に対して保険料を定めればよいのです。ただし、これを実現する場合、安定した報酬を得ている正社員、公務員、大手企業の役員の方々にとって不利益を生じることが想像できます。その不利益を軽減するための制度設計が難しいのです。
 「何も足さない、何も引かない」
CMのキャッチコピーにそんなフレーズがあったかと記憶しています。公平な年金制度を作り上がるためには、その姿勢が必要ではないかと考えています。
 今話題の元・日産自動車社長、彼の報酬からもしかるべき保険料を徴収できたことでしょう。