最近話題の200年住宅。200年は大げさかもしれませんが、耐震性を強化したりリフォームしやすい設計を推進したりして、長く使える住宅を造ることを目的としているようです。そこには、当然ライフスタイルの違いから、転売される物件もあるでしょう。
 長くすむことの出来る住宅、ということには賛成ですが社会環境を考えると疑問を感じる部分もあります。
 2003年の資料では日本の全住宅数は5387万戸あります。一方世帯数は4722万戸。つまり、664万戸が夜に住まれていない住宅なのです。もちろんそこには、別荘や建築中の住宅もありますから数値としては異なるでしょう。ただ、世の中の少子化の流れは変わりません。(私も未婚なのであまり言えないが)
 住み手のいない住宅は確実に増えるのです。住み手のいない住宅でも「財産権」の問題などで壊すことが出来ないでしょう。こうした、古い住宅の問題を放置したまま「200年住宅」を造っても、耐久性がある分「社会のゴミ」として長く残る危険性が生まれると考えます。転売をしやすい仕組みを作ることも大切ですが、放置された住宅問題に手を打たないと日本が「観光立国」として生きる道も失うことになりかねません。
 自分が建てた200年住宅の隣が、数年後、台風で倒れかけた空き家になっては、心配になりますよね。